完成!段ボールハウスはあったかいって言うし、このままGO!

長女が小学校に入学し初めての個人面談が開催され、夫が行ってきました。「どうだった??」「バッチバチで終った」。は???ベテランなマダム先生は長女のフランス語の語彙が少なすぎる、家で家庭教師を付けろ、と言ってきたそうで、夫は「俺の娘を信じろ、心配するな」と言って帰ってきたそうです。その自信はどこから……?先生に説教するってどういうこと……?理系だからか千葉出身だからか運動部出身だからか、私には理解できない自信と闘争心が沸き上がる夫ですが、内心心配しているのかその日の夜から宿題を1時間くらい子供と一緒に取り組むように。とはいえ、宿題ノートを読みながら毎晩夫婦で、「これ、ここに書き込めって意味かな?」「これ、切って貼れってこと?」かなりファジー。教科書の知らない単語を辞書で調べても「何度調べても『死に際の息切れ』って出てくる」。「これ、『殴り殺す』だって……」。物騒すぎる小学校一年生の授業に震えています。面談の最後には「フランス語の補習を受けさせます」という書類にサインさせられました。正直、書類の文章よくわからずにサインしちゃったので、壺を買っているかもしれません。

試着。さすがにお面はやめましたが、鎧もやめればよかった。

そんな恐ろしい学校から「来週はハロウィンパーティだから仮装してきていいよ」とメール。毎日怒られて元気のない長女の大好きなイベントキター!魔女、赤ずきん、海賊、ダースベイダーと数々の有名人に扮してきた彼女、今年は「戦国武将かなー」。これはフランス人喜びそうだ!ネットで子ども用衣装を探すと、伊達政宗と真田幸村と前田利家を発見。大好きな伊達政宗は何とも色が地味なので、「じゃあ金色の前田利家でいいや」と渋々加賀百万石になることになりました。翌日IKEAもびっくりの組み立て式段ボールが到着。組み立て好きな夫が組み立て始めましたが、部屋中段ボールだらけになり、あまりの細かさにみるみる機嫌の悪くなる夫。2時間後にようやく完成、うわあ~これ、すごいけど、トイレいける??行くとき自転車乗れる?てか、学校の椅子、座れる??不安いっぱい。

当日自転車のヘルメット代わりに金の兜を付けての登校は、朝の散歩中のお爺さんの注目の的。着替えのオウムの衣装をかばんに入れ、「辛かったらすぐ鎧を脱ぐのよ」と鎧を着せて利家を戦場へ見送り。すっかりマツの気持ちです。ご武運を!先生のひと笑いをもらえますように!周りの生徒たちの驚いた顔をされながら教室へ入る長女を遠くから見つめている間にも、フランス人職員たちに「どこで売ってるんだ?」と質問攻め。アマゾンでござる。これはいい傾向だ!祈りながら数時間後のお迎え、どや顔で帰ってくるかと思っていた利家様はすっかり普段着で大きい衣装袋を抱えて戻ってきました。「たくさんオウムの服を着たよ」。クラスメイトの子が「座れないから脱げって言われてたよ」。嫌な予感が的中。前田利家、マダムに完敗か……。隣のクラスの先生はバナナの仮装だったのに、長女の担任は普段着で普通の授業をして終わったそうで、パーティとはいったい何だったのか……。マツは悲しゅうございます。


吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。ソルボンヌ大学にてフランス文化を学び帰国。日仏文化交流のための NOISETTEを設立。

●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!

http://www.noisette-paris.net/aiko-paris/