チョコ食べ放題でワクワク楽しいイースター(仏語:Pâquesパック)が、今年は4月4日にあった。卵狩り(Chasse aux œufs)が有名で、子どもにとってはクリスマスの次にとても楽しみなイベント。子どもの頃、お父さんはその卵狩りのレベルを上げて、隠した卵を見つけるための謎解きを工夫して作ってくれた。

 私と弟は謎解きをしながら庭や家の周りを走って卵を探し回っていた。まるで宝探しの冒険に出たような感覚で楽しかったな。あんなに楽しいのに、ハロウィーン、クリスマス、バレンタインが(ちょっと変わった形で)浸透した日本では、なぜかイースターはスルー。バレンタインとホワイトデーでチョコを食べすぎたせいなのか?

 調べたところ、あまり流行らない理由は日程が固定されていないからのようだ。うーん、確かに。しかも何月の第何日とかではなく、春分後の最初の満月の次の日曜日とややこしい計算になる。フランスではイースターの次の月曜日が祝日で、3連休になるので見逃さない。もう一つの理由は、日本は3月末〜4月は年度が変わり、忙しい時期なのでそれどころではない。その時期にはちょっと定着しづらいね。

 また、イースターというのは「復活祭」で、キリスト教の一番大事なお祝いではあるが、現在は無宗教の人でも子ども向けのイベントとして楽しんでいるのも流行らない一つの理由だと思う。フランスではそもそもイースターは家族で集まって食事をしたりする機会になっているけど、その習慣がないと楽しめるのは小さい子どもだけで、若者や大人は特に関係がないと感じてしまう。

 ちなみにフランスではイースターの卵を運んでくるのがウサギではなく、鐘です。そう、「Les cloches sont passées !」(「鐘がきたよ」)と言って卵探しを始める。一見不思議だけど、キリスト教では木曜日からイースター当日の日曜日の間教会の鐘がならず、イエス・キリストが復活した日曜日にまたなり始めて、イースターの卵を運んでくるという説明になる。実はチョコの形も様々で、卵、ウサギ、ニワトリ、鐘が人気!


リラ

東京でフランス人観光客を案内する仕事を始めたばかりの26歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。