9月の半ばに3週間ほどパリに戻りましたが、ワクチン未接種の僕は中々大変な時間を過ごすことになりました。衛生パスポートの提示が義務化されていても、僕の場合、普段からカフェやレストランへ行かないので苦労しません。でも、問題は9月末から開催されたパリコレです。会場が屋外の噴水だったり(リック・オウエンス)、それがたとえ森の中の草原だったりしても(クレージュ)、衛生パスポートの提示が必須となったのでした。衛生パスポートとは、ワクチンを2回接種している人、PCR検査を受けて3日以内の人もしくは抗原検査を受けて2日以内の人、すでに感染して復帰した人、以上の3種に当てはまる人が欧州連合から賦与されるQRコードを伴う書類のことです。

 僕の場合、パリコレ期間中に2回の抗原検査を受けました。薬局の前に設置された簡易テントの中で実施されていて、お値段は大体30ユーロ程(4,500円)。でも、陰性の結果を受けてから48時間しか有効ではないとするケースがあり、2回の検査が必要となりました。パリコレ半ばの10月2日に日本へ出発したのですが、その3日前に医療検査所で実施されるPCR検査へ。これはパリコレ用ではなく渡航用です。料金は大体50ユーロ程(6,000円以上)。陰性の結果を受けてから72時間有効です。

 そうやって1週間分の陰性期間を稼ぎ、その間に会いたかった毎晩のように友人と一緒にレストランで食事をしました。僕の場合、フランスの健康保険に加入していないので検査は有料。でも10月から加入者についても有料となりました。ワクチン接種キャンペーンの推進です。義務という名の半ば強制。「フランスってこんな国だったっけなぁ」と寂しさを胸に日本に帰国したのでした~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 

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