フルーツ!フルーツ!フルーツ!

髪の毛を青くしました。美容院で鏡を見たときは「わあ!手から氷出しそう!」とエルサ(のドレス)風の色に感激したのですが、あっという間に退色してしまい、青からグレーに。毎朝鏡を見ると、毒リンゴを持っていそうなおばあさんが写っていてビックリ。私じゃん。ディズニー映画違い。同級生たちが生え始めた白髪を気にしているというのに敢えて老婆に近づく好戦的なスタイルです。たまたま2年ぶりに会った会社員時代の先輩にも一言目に「なにがどうしてそうなっちまったんだよ!」。私のどの部位のこと言ってます?

 さて、コロナが少し落ち着いてきたということで、ノアゼットプレスの表紙インタビューを担当するライターY氏と2年ぶりにランチをしました。知り合ってから10年、毎月仕事でやり取りして8年。もはや話すことがないのではないかと思いましたが、実際待ち合わせ場所にY氏が現れた瞬間、ステイホーム明けの実感なのか、コロナの大変な時期を乗り切った同士感なのか、何かがこみ上げてきて無意識に猛烈な勢いで手を振っていました。パリの高級レストラン、トゥールダルジャンのオシャレな缶クッキーをお土産に頂き、「トゥールダルジャンまで行ってくれたの!」「いえ、空港で売ってるやつです」。正直者です。以前、私の父と一緒に食事をした時、父から「君は人を油断させるのがうまいな~」と称されたことを、今回思い出したY氏が「お父様は三国志がお好きなんですね。劉備が曹操と食事した時に、才覚を悟られて殺されないようにわざと無能に見せた話をおっしゃってるんだなと思いました」「ってことは、今わざと油断させるよう演じているの……?」「僕の場合は素で才覚が悟られないんです」。「それは……。」ほかにも、観光客のいないパリの話、自宅隔離中の移動手段の話、躓いただけで骨折した話……話は尽きることなく、アッという間に2時間。Y氏は寡黙で声も小さめで、テーブルに置かれたアクリル板のせいでますます聞こえない。恐らく7割くらい話を理解できていないですが、お互い才覚が外に悟られないタイプとして叱咤激励していこうと、決意を新たにしたのでした。

嘘みたいに華やかなケーキたち。女性にバカ受けの模様。

それにしても、Y氏とはこれまで年に一度、彼が一時帰国したタイミングで食事をしてきたのですが、毎回フランスになさそうで、なおかつ評判の良いお店を私が予約。そして、ことごとく外す。ここまでがセットになっています。どこでこの呪いがかけられてしまったのか。毎回Y氏の「うまい!」の顔を期待しているのに、星付きの蕎麦屋も、老舗のうなぎ屋も、有名ローストビーフ店も、食べた直後お互い「シーン」としてしまう。今回は、もうしょっぱい系を攻めるのは諦め、人気フルーツサンドのお店を選定しました。お店に入るなり、何かの撮影クルーも居て、これは間違いないと確信。が、客層が若い女子グループだったことを見逃していた。新鮮味のない仕事仲間オーバー40ズにとって、6切れのフルーツサンド、重い。3切れで一息ついたら、向かいでも3切れ食べて休んで、気合を入れて再開しているY氏の姿が。またもや「うまい!」ゲットならず。フルーツサンドに罪はありません。私たちの加齢した胃が悪いんです。呪い、解けず。インディジョーンズ呼んできたい。

空港でしか買えないらしいトゥールダルジャンのクッキー。激ウマで子供たちがケンカするほど。

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吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。ソルボンヌ大学にてフランス文化を学び帰国。日仏文化交流のための NOISETTEを設立。

●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!

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