今年9月半ばにフランスに戻った時のお話。仲の良い友人宅にお呼ばれしたので、持参するお酒を買いに近所の酒類販売チェーン店のニコラへ行きました。ワインやシャンパンはありきたりだし、そもそも飲み飽きているし、何か面白いものがあれば、と思って行ったのですが、割と特殊なものも貪欲に取り入れる姿勢を見せている二コラはその期待を裏切りません。日本酒のWAKAZE(ワカゼ:和の風から来ているそう)がそこに。

 日本の若者がパリ近郊に蔵を設立し、南仏カマルグで生産されるジャポニカ米を使用した、純フランス産の日本酒です。これは話題性抜群だと思い、夕食会の手土産にすることに決定。友人宅に到着し、ドキドキしながら開けて一口飲んでみたけれど、「何これ、酸っぱい~」というのが正直な感想。フランス人の友人も「これは日本酒ではないっ!」と言い出す始末。いわゆる日本酒の甘みがほとんど無く、もしかしたらドライな白ワインに近づけた結果なのかも。なんて思いながら調べてみると、フランス産の酵母も使用しているようで、かなりワインに寄せているようです。そして、瓶に張られたチケットを良く見てみると、ニコラの文字が入っています。ニコラのエクスクルーシヴ商品だったようで、もしかしたら、他のWAKAZEとは味が違うのかもしれません。そんなことはニコラで店員さんに聞けば済むことだけれど、確かめることなく日本に戻ってきてしまいました。日本でもWAKAZEは購入でき、買って飲み比べることは可能ですが、約3,000円というお値段がネック。WAKAZEを買うのだったら他の日本産の吟醸酒を買いたいと思ってしまい、中々買う気が起きません。まぁ、飲み比べは当面の課題として残しておきたいと思います~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 

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