小学校2年生の長女の授業参観に行ってきました。私が見たのは算数の時間。三角形や四角形のパズルのピースを組み合わせて「船」や「ロケット」の形を作ろうというテーマで、皆「できた~!」「わかった~!」などアピールする一方、長女は「あ~!わかんない!難しい!」と堂々と連呼していてお母さん痺れた。できないと言える勇気りんりんである。

 「見学に来ているご両親も手伝ってあげてください」と先生が呼びかけ、秒で図形を完成させるつもりで駆け付けたのですが、生半可にはいかなかった。机の横で、あ~でもないこ~でもないと悩む41歳を、薄ら笑いを浮かべて見る8歳。そうこうしているうちに授業終了のチャイムが鳴り、先生が「最後にまとめてくれる人いますか?」。何でも手を挙げちゃう長女がいつも通り「ハイ!」誰も手を挙げないので当然当てられ「思ったより難しくて、お母さんもできていませんでした!」シー!みんなこっち見てる!


 さて、大好きなピエールエルメパリさんの新作発表会にお邪魔してきました。ホテルニューオータニの会場に、リトルトーキョーをイメージした回転寿司ならぬ回転スイーツが! ベルトコンベヤーにマカロンやクッキー、かわいらしいボックスなどがのせられて回転。その後ろには大きな和傘が設置され、未来のお茶屋さんのようです。だからと言ってスシローの如く皿を取り上げて食べるのではなく、私たちはフレンチレストランのように優雅に席に案内され、クリスマス向けケーキや、1月に食べるガレットデロア、バレンタイン用マカロンなどを3口サイズほどに切り分けたものをサーブして頂きました。いつも一口一口じっくり味わって喉を通過させるのも惜しかったケーキがまるでわんこそば状態。もうこれは夢に違いない。楽しすぎる。このままピノキオのプレジャーランドのように、ロバになってしまうのか。思いもよらぬ幸せが訪れすぎて怖い。人間ドックで肥満と言われ真剣に減量に向け努力していた数週間分すっぽり記憶喪失して完食いたしました。ああ、舌の上で幸せが複雑に混ざり合っているこのひと時が一秒でも長く続きますように……。


 私が義実家や、お世話になった仕事先の方に贈り物をするとき、いつもピエールエルメのスイーツを贈るのは、味はもちろん好きですが、パリの絵本の世界に入ったような、一目で心を動かすような、カリスマ性のあるビジュアルが好きだから。2022年秋冬新作もフランス人デザイナーや描画アーティスト、有名フローリストとコラボされており、手に取った瞬間、現実世界から連れ出してくれそうな魅惑的なデザイン。うっとり。そう、大人にはこういうのが必要なの。娘のクラス全員にバカがバレたけどピエールエルメを食べて心はフランスに飛び立つわ~!


吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。

●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!
http://www.noisette-paris.net/aiko-paris/