コロナが死語になり、今年こそ家族でわいわいと楽しく年末年始を過ごせるだろうと思いきや、今度はよくわからない原因で勃発した戦争のよくわからない影響で電気代が爆発的に値上がりした。ロシア人が隣国にミサイルを打つたびに駄菓子が高くなるこの経済はどうかしてるぜ。戦争をしらない子供はうまい棒も知らない世代になっていいのか?


 どうやら状況はかなりシビアなようで、普段アホなほどに楽観的なお笑いでもなかなか解説の仕方に困るように見える。逆に笑えばいいのに。アホなニュースが多ければネタも多くなるのではないか。ピエロすら表で笑わないとサーカス自体上手く回るはずがない。寒くなるからって外国逃亡できる身分でもないし、フリーランスの立場で冬眠しようとしたらクライアント全員に逃げられる。防寒具を揃えてホットワインや熱燗に頼りながらこの寒い日々が過ぎるのを待つしかなければ震えてもいいが、やはり笑いたいもんだ。
 新年が明けたらもっと憂さ晴らしになるような本を読もう。年が暮れると「エリートが学んでいる必読書」や「世界観が変わる読書ランキング」のような記事がなぜか多くなるが、大体そういうリストに目を通してみると異常な脱力感を感じる。無理もない。今まで冬眠してたんじゃねぇかと思うほど、紹介される本の中に知らないタイトルがいつも多すぎるから。社会人ならせいぜい月に1冊読む時間あるかどうかという中で「人生で読むべき1001冊」とか見ると、エロ本じゃない限り罪悪感が生まれるはず。完全に無職の讃歌だろう。1001冊を読むためにどれほど時間がかかるのかを考えだすと目眩がするわ。コロナで病床数や患者数など毎日訳わからない数字ばかり見せられたし当分何も数えたくないのが本音。やはり2023年は数字より文字を中心でいこう。(別にエロじゃなくてもいい)本があればなんとかなりそう。あと、大量のホッカイロ。


‟1001 Books You Must Read Before You Die”


 Peter Boxall編
 (邦題『世界の小説大百科 死ぬまでに読むべき1001冊の本』
 別宮貞徳監修 柊風舎)


Rémi BUQUET

翻訳家・通訳者
contact : buquetremi@negoto.fr