2ヶ月ぶりにパリに戻って来ました~。日本同様本格的な冬が到来していて、雪がパラつくことも。でも無闇に暖房をつけるのはご法度。推奨される室内温度は19度。日本は20度なので、フランスの方がちょっぴりシビア。ウクライナ侵攻で発生したエネルギー問題は、パリ市民の生活に影を落とし始めていました。
 どこかの知事も真似していたようだけれど、昨年マクロン大統領は「タートルネックのセーターを着て冬を乗り切ろう」と談話を発表。そして、地下鉄にあるフリーペーパーには、政府の広告が大きく掲載され「私はお湯を55度に設定し、シャワーはなるべく早めに切り上げます」という模範的な文句が。それが11月初旬の話でまだ暖かいから大丈夫と思っていたら、年明けから零下の毎日です。
 一番驚いたのが、カフェの軒先のヒーターが全て止まっていたこと。これももちろん政府の要請によるもの。ヒーターの下で冷たいビールを飲む人達を究極的に贅沢で不愉快なほどに無駄と思っていましたが、ヒーターがないとテラスには誰も座らず、雰囲気が全く違うものに。僕の住むアパートからは8軒程のカフェとレストランが見えますが、見事なまでに人影はゼロ。こんなこと、僕が1994年に渡仏して以来初めてです。あのヒーターのお陰で周りの空気が1度くらい暖かかったはずですが、今はすっかり冷え込み、人もいないので寒々しさ倍増。一方でとても熱いフランス。労組は年金受給開始年齢変更に絡むストライキを1月31日に予定し、より大規模にしようと燃えています。製油所や発電所が参加する可能性があるそうで、あれ、エネルギー供給はどうなるの? もっと寒くなりそうなフランスです~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 
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