エジプトで乗ったラクダより臭くなくてフワフワで背中が柔らかめ

 冬休みはセール航空券で、鳥取県境港市へ妖怪旅に行ってきました。水木しげる先生の街です。鬼太郎空港では、手荷物受取場に目玉オヤジ、天井にぬりかべ、窓ガラスに鬼太郎、ランプにねずみ男……いたるところに妖怪が出現。シャトルバスには、見られたら足を切られてしまう妖怪、輪入道がプリントされて物騒な感じ。乗ったタクシーの運転手さんは「鳥取は田舎で天気も悪いし、鬼太郎とコナンにおんぶにだっこですから~」と自虐がスゴイ。名探偵コナン作者の青山先生も鳥取ご出身だそうで、コナン空港もあるそう。便乗の勢いもスゴイ。ちなみに鳥取はofficial髭ダンディズムの皆さんも輩出しているし、今まさに鳥取、飛ぶ鳥を落とす勢い。ヒゲダン空港も作りそう!

誰かかまってあげて~ 水木しげる記念館前にてベンチで客待ちする砂かけ婆


 到着した水木しげるロードの店舗の多くはお正月ゆっくり休まれているようで、妖怪像が多量に設置されたシャッターストリート、妖怪ムードが高まる~。誰もいないと思って後ろを振り向くと誰にも相手にされていない砂かけ婆が~!キャー!婆さんは水木しげる記念館の前で、砂もかけず写真サービス実施中でした。しゃべってはいけないようで、クネクネ無音で動きシャッターのタイミングで様々なポージング。プロです。私たちの後は誰も続かず、寒い中座って待機する様は子泣き爺呼んできてあげたい。記念館の中は本格的な妖怪屋敷で、照明が薄暗い中、子どもに忖度しない恐怖妖怪がライトアップされ、妖怪好きなはずの娘たちが怖すぎてダッシュ通過している。君たちを喜ばせたかったんだけど……。

水木しげるロードは日没と同時にお化けが現れる仕組み こちら「べとべとさん」です


 人影のないストリートは夕暮れになると路面に妖怪の陰が映し出され、妖怪だらけの電車が静かに到着して……この街、本当に妖怪、居るぞ!と確信。近くの宿に宿泊したら、子どもたちが終始何かにビビっている。次女は眠れないと騒ぎ、「あんまり騒ぐと、妖怪さんが見に来るかも……」と試しに言ってみたら、速攻黙って就寝。妖怪、助かる~。
妖怪タウンの後は鳥取。名作絵本「こんとあき」の舞台です。ぬいぐるみの「こん」が持ち主の女の子「あき」と砂丘まちに住むおばあちゃんを訪ねる話の聖地巡礼したい!米子から鳥取まで特急電車に乗り、鳥取に到着。あきちゃんとこんが駅から砂丘に寄り道したのを思い出し、サクッとタクシーに乗ったら、2500円。高いよ、あきちゃん。寄り道レベルの近さじゃないよ、あきちゃん。電車に乗るだけであんなに苦労したのにどうやってここまで来たの。歩いたら2時間はかかる。……バスか。大胆な省略に気づかなかった~!バカ~。

砂丘の前には隈研吾建築のカフェが!そしてとても美味しかった


 初めて見た砂丘は、紅白でMISIAさんがアフリカのナミブ砂漠から中継していたの、ほんとはここじゃない?と疑うほど砂漠。子どもが砂の柔らかい丘を駆け下る遊びにハマって、コケて口に大量の砂を入れながら爆笑している様は怖かったです。ラクダに乗ることも出来ました。アフリカから?それとも中央アジアから~?と思いきやオランダ生まれと発覚。ヨーロピアン。私と次女のぽっちゃりチームは暖かい背中が気持ちよかったけど、細い長女は「お股が痛い」。生まれて初めて脂肪が役に立った~♡


吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。

●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!
 http://www.noisette-paris.net/aiko-paris/