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10周年記念本、出版決定!

書評

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大臣より賢くなるコツ

今年の大河ドラマの放送とほぼ同じタイミングでパリの美術館*で源氏物語の特別展が始まった。それをきっかけに売れている作家や人気俳優等は取材を受け、この古典の中の古典がいかに影響を与えたのかをベラベラ喋ったりするが、皆同じようなコメントしかしないので、実際のところで本当に読んでいるのかなと疑問に思っている。

発明の元は基本、欲である

 科学の進歩のおかげで人類はとんでもないことをやり遂げてきた。
宇宙ロケットはもちろん、ウォッシュレットもなかなか役に立つものだが、4DのAV映画まで作りやがった。本当にすごいぞ、人間ってやつは。欲に満ちすぎていて惑星ひとつだけで満足するはずがなかった。常に新しい道を開こうとするから。その延長でトイレットペーパーよりケツをもっと清潔にする方法が見つかるのは当然、時間の問題だけだった

パリではパリテか?

「自由」と言われたら皆それぞれのことが思い浮かぶだろう。刑務所に入ってる者は単純に檻の外の空気や飯のことを思うだろうし、家の財布を握る鬼嫁から小遣いをケチられる者は長年買いたがってるオシャンのブリーフケースを自分が買えるところを想像したり、必要以上に働かされる者は平日の真昼間から公園の昼寝を夢見たりするでしょ

見方で揺れる「天」の価値

最後に空を見上げたのはいつだろうか。覚えてない。地下鉄の階段を上りながら「今日も雨降るのかな」と何気に上を見るのではなく、意図的に空をしっかり仰いだのはいつなのか。日常的ではなさすぎて思いつかない。

なかなかネタの多い島の話

日本は実質開国されてから大勢の観光客を迎えられることになりお店はどこでも大盛況。単なる日本文化がお好きなのか、或いはJRパスの値上げ話を聞いたせいか、とにかく皆さんはとんでもない勢いで全国各地の名所を巡ったりしてコロナ後の日本を精一杯満喫しようとしている。

この世は終わるってよ。

コロナが死語になり、今年こそ家族でわいわいと楽しく年末年始を過ごせるだろうと思いきや、今度はよくわからない原因で勃発した戦争のよくわからない影響で電気代が爆発的に値上がりした。ロシア人が隣国にミサイルを打つたびに駄菓子が高くなるこの経済はどうかしてるぜ。戦争をしらない子供はうまい棒も知らない世代になっていいのか?

「パンとサーカス」の繰り返し

 パリのどこのビストロの前を通っても、最近は与党の愚痴より懸命な声援が聞こえてくる。とはいえこの不景気で政権が急に人気は得られないはず。実際に店内を覗くと、早い時間から大勢の人が大画面の前に集まり、酒を飲みながらそれぞれの国のサッカー選手たちを応援しているのだ。

偉大なる監督の断末魔 勝手に死にやがって

 20世紀を迎えるほぼ5年前にオペラ座近くの地下のカフェでとんでもないことが起こった。店の常連が注文ミスにキレたわけでもなくネズミ狩りで厨房がカオスに化したわけでもない。リュミエール兄弟が自らで撮った映像を有料公開したことで映画館の歴史が始まったのだ。カメラに向かって撃とうとする無法者や止め処なく走る汽車を目にしたあたりで、当時の観客は大絶叫を上げていたらしいので井戸から出ようとする貞子を見ていたら、きっと心臓発作を起こしていたのだろう。