アーティストのカミーユ・ドゥヴァロワさんは、パリで活動するピンとバッヂのクリエーター。ユーモア漂うキャラクターを描き、一点一点手作りで作品制作をしています。不機嫌そうでいて愛くるしい、独特の世界観はどこからやってくるのでしょう?
(取材・文 Keiko Sumino-Leblanc / プレスイグレック)
キャラがリアルでないからこそ
自分自身を投影しやすい
クリエーター活動はいつから?
友人のセラミック作家に誘われた2018年のクリスマスマーケット出店がきっかけです。当時はイラストレーターとして企業向けの仕事をしていました。
なぜピンとバッヂを?
マーケットに出店するにあたり、イラストをそのまま売るよりも、ピンやバッヂにして気軽に身に付けられるようにしたらどうかと思ったのです。試しに30点だけ作成したところ、ものすごい反響! 現在は手作りバッヂのアーティストとして100%仕事をしています。
キャラクターたちはみな、不思議な表情をしていませんか?
グラフィカルな私の作風のせいだと思います。人物の顔はシンプルな左右対象、鼻なども現実のリアルな形とは違ったラインで描いています。もしかすると、リアルではないからこそ、見る人が自分自身を投影しやすく、多くの人に気に入ってもらえるのかもしれません。
マーケットは意見交換や
出会いがある大切な場所
カミーユさんの作品の取り扱い店は?
パリ市内だとポンピドーセンターのブティックや、11区のクラブ・サンシブルなどのギャラリー、クリエーターのセレクトショップなどです。クリエーターショップは、大西洋に面したブルターニュ地方やノルマンディー地方がとても面白いのです。ブルターニュ地方グランヴィルにあるショップ、ランボレを是非チェックしてみてください。素敵な発見があるはずです!
マーケットでの出店もされますか?
はい、訪問者の反応を直接感じたり意見交換したりできるマーケットは、とても豊かな場所だと思います。ポンピドーセンターのショップ責任者との出会いも、クリエーターマーケットのスタンドでした!
アフターコロナの影響はありますか?
全くありません。強いて言えば、より明るくカラフルな作品を作りたくなったことでしょうか。コロナ禍を体験した今、人々は消費のあり方を見直して、地産地消や手作りのもの、環境へのインパクトの少ないものを求めていると感じます。同時にこういったことは、私が手作りバッヂの制作を始めた1年半前に、すでにみられた傾向でした。私の作品は、私自身が手でプラスチックの上にイラストを描くことからしか始まりませんから、大量生産はできません。コロナ以前も、コロナ後も、パリの自宅のアトリエでひたすら手作りをしています。ええ、注文は増え続ける一方です!
お知らせ
2020年9月5日、「ニュイ・デ・アレンヌ」イベントのクリエーター見本市に、ドゥヴァロワさんが出店します。
https://www.nuitsdesarenes.com
ドゥヴァロワさんサイト
https://www.instagram.com/camilledevallois/https://www.facebook.com/camilledevallois/