こんまりこと近藤麻理恵とスコット・ソネンシェイン教授の共著、『Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる』の仏語訳本が発売されました。日本人による著作の広告が地下鉄に貼り出されるのは、村上春樹以来かもしれません。Netflixの番組『Tyding Up with Marie Kondo』で、アメリカをはじめとして世界中でこんまりメソッドが一つの社会現象となり、フランスにも押し寄せて来たわけですが、フランスで定着するのかなぁと思っていたら、見事にはまる人が続出。
 僕の知っているフランス人は、小ざっぱりした家に住んでいる人が多いのだけれど、片づけられない人はどこの国にも一定数いるようです。以前の『人生がときめく片づけの魔法』は僕も友人から薦められて読みましたが、ぬいぐるみ数千体、レコード数千枚、そして山のような買付け商品と共に暮らす僕にとって、そこにあるものは心ときめくものばかり。身の周りの物がインスピレーションやアイデアを与えてくれるケースが多く、コツコツと空間を埋めて行く作業こそが自分のライフスタイルであると強く信じていたりもします。
 だから、ピンと来ない部分は多いのだけれど、コロナ禍で実家に滞在した3ヶ月間で親に片づけを指導した際にはとても役に立ちました。片づけることがどんなことなのかを客観的に語れるようになったのは意義深く、やや反発心を持ちながらも実際に彼女の手法に影響を受けている自分を発見。社会現象になる理由がわかった気がしたのでした~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 

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