コロナ新規感染者が日々5万人から10万人、という数字を叩き出しているフランス。でも、フランス人はディスタンスも飛沫も全く気にせず、それは欧米全体でトレンドとなり、パリコレでもマスクをしているのは僕くらい。

 コロナ禍以来、ディスタンスを保つために招待客を絞り、飛沫感染を避けるために屋外で開催するブランドが多くなりました。それが習慣化したのか、今年9月末からの2023年春夏コレクションでも、多くのブランドが屋外でショーを開催しました。

パレ・ドゥ・トーキョーの噴水広場でショーを開催したリック・オウエンスは、当日急に暑くなったので良かったのだけれど、スタジアムでショーを行ったバルマンは、夜の8時半から1時間遅れて始まり、さらに100ルック以上出てきて、かなりの苦行。最後に米女優のシェールが出てきて救われた気がしました。さすがはバルマンです。ステラ・マッカートニーはポンピドゥーセンター前の広場を会場にショーを行いましたが、会期最後の方だったので、皆さん防寒はバッチリだったよう。

問題となったのがパリ植物園でショーを行ったジバンシィ。その日は雨で、ベテランジャーナリストさんが「ジバンシィだからプランBを用意しているはず」と期待していきましたが、思いきり屋外で屋根なんてありません。ショーの前に雨が止んだのは良かったのだけど、座席はビショビショ。しかもコルク製で雨が染み込んでいて、いくら拭いても雨水が滲みてきます。僕はいつも携帯しているビニール袋を敷いて凌ぎましたが、皆さんお尻から冷え切っていたに違いありません。

昔と比べたら、スケジュールが詰まっていなくて楽になったパリコレ。でも、屋外でのショーが多くなり、体力を奪われるようになりました。次回のパリコレは来年の2月末。薄手のダウンジャケットを携帯して臨みたいと思います~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 
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