【今月のお客様】ステファニー・コロインさん

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銭湯大使、銭湯ジャーナリストとして活躍中のフランス人女性、ステファニー・コロインさん。留学中に出会った銭湯にハマり、日本全国の銭湯をめぐりながら広くその魅力を発信しています。気になる日仏お風呂比較や仏での銭湯レクチャーでの反応も聞いてみました。(取材 編集部)

フランス人もリピート率100%!?

銭湯好きになったきっかけは?

 2008年に、友達に銭湯に連れていってもらったのがきっかけで、それからは毎週のように通っていました。その銭湯は今でも家族みたいなお付き合いをしています。2012年に仕事で来日し、いろんな銭湯を回り始めたところ、銭湯がなくなり始めているのを知って。それから銭湯文化を勉強しながら発信しはじめました。お風呂屋さんの番台で6年間働いていたこともあります。

銭湯ではタトゥーはOKなんですか?

温泉はタトゥーや入れ墨のある人が入れないこともあるけれど、銭湯はほぼ入れるんです。タトゥーはヨーロッパの文化としては普通で、私もタトゥーをしていますが、今まで全国1000軒以上の銭湯に入ってきています。元々銭湯は「一銭で入れたお湯」が由来になっているくらいで、誰でも差別せずに入れるお風呂なんですよ。ちなみに、銭湯も湯質が温泉であるところはたくさんあります。

フランス人が銭湯に入るのは勇気が必要?

最初はみなさん慣れてないですし、「無理~!」と仰る方もいますが、一度入ってしばらくすると慣れる方がほとんどです。同じ世代の友達は銭湯に行ったことがない人が多いのですが、一度知るとほぼリピートしてくれます。銭湯に入るきっかけやアピールが必要だなと思います。

ちなみにフランスでのお風呂は?

基本的にお風呂は一人で入りますが、夫婦2人で入る文化もありますね。でも、追い炊き機能はないですし、水道代も日本より1.5倍~2倍くらいかかるので、毎日入る人はあまり多くないですね。

Body Positiveになれる場所

銭湯の魅力は?

 私が感じる銭湯の魅力は大きく3つ。1つ目は健康と美容によいことです。美肌や血行促進、精神的なリラックス。嫌なことがあっても、銭湯でおかみさんと話して、お風呂に入ると気持ちが落ち着く。それと最近「Body Positive」という言葉を見かけますよね。若い人たちがSNSで見る体と自分の体の違いに落ち込んだりしている。銭湯では人の現実の体が「景色として」見えるんです。じろじろ見るわけではなくて。最初はタオルで体を隠しても、少しすると裸で過ごせる。自分の裸と仲良くなれる、というのかな。

現代的な視点ですね。他の2つはどうでしょう?

2つ目は、コミュニティです。フランスではカフェがそういう場所ですが、銭湯は地域の情報ステーションだと思います。社交場ですね。銭湯では1人暮らしのお年寄りも世間話ができます。近所でも、あるいは旅先でも信頼できる口コミ情報がもらえますし、銭湯側も常連さんが来ないと心配して電話をかけるんです。私もエアコンのいい修理屋さんを聞いたり(笑)。3つ目は、アート(芸術)です。関東には「宮造り」という建築方法があり大事な存在です。あと、富士山の絵で有名なペンキ絵やタイル絵もカラフルで素敵ですよ。

フランスでの銭湯レクチャー、フランス人の反応は?

すごく面白かったです。いろいろな世代の方が来たのですが、「もう終わり!」と言っても質問が終わらなかったり(笑)。「日本に行ったら絶対行く」と言う方もいました。

フランスの温泉はどうでしょう?

フランスの温泉は、基本的に医療目的で利用するので高価です。温泉の使用時間とかが決まっていて楽しくない。フランスに帰ると銭湯が恋しくなるので、代わりにハマムに行きます。コミュニティの感じが銭湯に似ていますね。ただ、女性は下の水着だけは着ないといけなくて、銭湯に慣れている私には違和感がありますね(笑)

最後にメッセージを!

銭湯に行くと「おかえりなさい!」と言ってもらえたり、いろんな人と出会える。アットホームなのが銭湯です。銭湯がなかったら、こんなに長く日本にいなかったかもしれない(笑)。銭湯は歴史や家族のストーリーを感じられる日本の大事な宝物だと思います。それを少しでも多くの人に伝えていけたらいいなと思います。

【Instagram】 https://www.instagram.com/_stephaniemelanie_/

《ウェブ限定!追加記事》

日本全国の銭湯を回っているステファニーさん、旅先での銭湯はどんなふうに利用したらいいでしょう?

旅先で銭湯に入ると、いろんな情報がもらえます。土地の人しか知らない、観光客が行かないようなお店のこととか…。初めて伊勢神宮に行ったときは、銭湯でお風呂に入りながらお参りの仕方を習ったんです。すごく嬉しかった!どこの銭湯も素晴らしいですが、今おすすめするのはこちらの銭湯です。

御所宝湯(奈良県御所市御国通り2-361-5)

10年前に閉店したけれど、クラウドファンディングで再開しました。とてもすてきなプロジェクトです。フィンランド式のサウナがあります。自分のメンテナンスができる場所だと思っています。

吉野湯(東京都江戸川区平井4−23−2)

デザイナーズ銭湯。2年前リニューアルされて本当にきれい。銭湯に慣れてない方にもおすすめです。お庭があってとても美しいです。

扇湯(淡路市岩屋1390)

レトロ可愛い系。神戸から船で行ける淡路島の銭湯。関西式の銭湯で湯舟の外側に段があって、そこで体を洗うんです。周りでしゃべりながら体を洗うのがとっても楽しい!

生漢方を湯舟に入れているのも、おすすめポイントです。番台のそばでお土産も買えるし、銭湯の隣が飲み屋になっていて、いろんな島のお酒も飲めるので、楽しいです。