10月16日は国際パンの日。去年のこの時期にフランスのバゲットについて語っていたが、無事無形文化遺産に登録されたこのバゲットに変化が訪れた。今年の10月から(さらに)減塩仕様になったらしい。パンはフランス人の1日の塩分摂取の中で大きな割合を占めているけど、バゲット100グラムに対して塩が1.5グラムだったところをさらに1.4グラム未満に減らすよう決められた。この減塩は国内ニュースにも広く報道されたが、WHOが推進している減塩目標の一環として、フランス政府とパン業界が国民の健康改善のために取り込んだ施策である。
フランスだけでなく、塩分の過剰摂取は国際問題である。日本も「健康日本21(第三次)」で、1日の食塩摂取を7グラム未満と定めたが、実際の摂取量はまだまだ上回っている。塩ラーメン、塩焼き鳥、日本は「しお味」が好きだよね。来日して最初の頃は、外食や日本食を作るために参考にしていたネットのレシピがかなりしょっぱく感じていたが、一度慣れてしまうと逆戻りが難しくなる。ただ今でも舌先が痺れるほどしょっぱく感じることが多々あるので、家で料理するとまずレシピより醤油を半分の量で作ってみて足りなければちょっと足すようにしている。
あと特に驚いたのは、夏の熱中症対策。「暑い日は塩分補給」がスローガンのように根付いたようだが、本当に必要なのか?夏に長く運動して大量に汗をかいている時はまだ分かるけど、塩分は毎日の食事などで既にオーバーに取りがちなのに、日本はスポーツ飲料、塩飴、塩分タブレッツなどわざわざ塩分を摂るための商品がたくさんあってお菓子感覚で消費されている。熱中症対策は大事だけど、塩分摂りすぎには要注意。
リラ
東京で翻訳者としても活躍する29歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。