東京に移住してから美術館にあまり行ってないので、国際博物館の日に入場料が無料になっていたことを機にずっと行きたかった東京国立博物館に初めて行った。通っていた大学の日本史の授業を思い出しながら縄文時代の展示物が見られて面白かった。
 フランスは、年齢を問わず通年無料で入場できる博物館などに加え、EU圏国籍者かつ26歳以下であれば国立の美術館、博物館、モニュメントの常設展を無料で楽しむことができる。また、数年前から15歳~18歳の若者向けに「カルチャーパス」という制度ができて、専用のアプリに登録することで身近にある様々なアートや文化に触れるために金銭的な支援を受けることができるものだ。与えられたお金は、アプリを通じて購入できる本、映画・コンサート・演劇・フェスのチケット、実際のワークショップ、音楽などに使えるそうだ。日本は逆に、人口を反映したシニア割引が豊富である一方、自分が知らないだけかもしれないけど若者向けの制度はちょっと少ないように感じる。学割は見かけるけど、学校や大学に通っている必要があるので社会人はアウト。


 東京で観光ガイドをやっていた頃、無料で楽しめる体験や施設を調べるのが好きで、数年前にその一つである東京都水道歴史館を訪れた。江戸時代に実際使用されていたものが展示されていたり、当時の様子を再現するミニチュアがあったりして予想よりも楽しめた。一つの観点から東京の歴史や仕組みについて理解を深め、ガイド中で使える豆知識にしていた。
 やっぱり東京に住みながら「もっとルーヴル美術館に行けばよかった」と今思っているように、もし引っ越すことになったら今度は「東京のここに行けばよかった」とまた後悔すると思うので、もっと意識して今のうちに東京の美術館や文化施設を満喫したい!


リラ

東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。