「マスコット」の語源はフランスに?

 毎年7月に開催されるツール・ド・フランスにも、去年から「Maxoo」という公式マスコットが登場した。自転車が好きな男の子で、ツールのもっと若い観客と交流し、子どもと自転車を繋ぐために作られたらしい。

東京の自転車のお店(去年)

 日本に来るまではマスコットを気にしたことがなかったが、義実家がある群馬県に毎年行くようになってから日本のご当地キャラに出会った。さすがゆるキャラグランプリを獲得したことがあるぐんまちゃんが、駅の看板、スーパーの商品、工事現場までどこにでもいた。 

 だが、ゆるキャラ大国日本でも、ダメな時もある。去年復興庁のサイトで公開された、福島第一原発の放射性物質「トリチウム」が含まれる処理水の安全性を説明するチラシなどの中で、「トリチウム」がゆるキャラのように描かれていたことが批判を招き、その結果イラストが「T」の文字に修正され再公開された。さすがにゆるキャラにも限界があるね。

群馬へようこそ!

 マスコットといえばスポーツ大会、イベントや企業などの象徴となるキャラクターを思い浮かぶが、お守り、幸運をもたらすと考えるものや人、動物という広い意味もある。またその言葉の由来は、実はオック語の「masco」(魔女)だそうだ。中世からのフランスでは、現代の標準フランス語の源である「オイル語」が北部で話されて、南部では「オック語」が話されていた。現在、オック語の話者がかなり少なくて高齢者が多いが、例えば南フランスにあるトゥールーズ市の地下鉄に乗ると、駅名はフランス語とオック語で放送されている。

 そいういえば、2024年パリオリンピックのマスコットは年内に発表されるらしい! ミライトワとソメイティに続くマスコットが気になるね。


リラ

東京でフランス人観光客を案内する仕事を始めたばかりの26歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。