トイレを探して三千里 ―ニューヨークお前もか
山積みのパーフェクトじゃない皿たち。
お前もパーフェクトなのか?と挑発的です。
ニューヨークの現地小学校に1ヶ月通って姉妹は夏休みに突入。安いサマーキャンプがあると聞いたので、調べると最少単位である2週間の申し込みで1000ドル。安いのか。しかもそれ2人分。清水の舞台から飛び降りる気持ちで支払いをしたら、カードが止まった。ニューヨーク怖。セールの季節を迎える前に万事休すウウ!
NY駐在が長い方が、夏休みは日本に帰って日本の小学校通った方が安いと言って帰国する噂は本当に違いない。サマーキャンプには健康診断が必須とのことで、急いで近所の小児科を予約したのですが、約束の時間に行ったらドアが閉まってインターホンも反応なし。電話をしたら、「急病で休みです」なぜ患者に教えてくれないー。しかも代わりに枠を取ってくれた小児科めっちゃ遠いー。しかし文句を言える英語力はない。渋々バスを乗り継いで紹介された小児科へ。身長・体重、聴覚などに続き、視力検査。マークが全てアルファベットで緊張した姉妹。 長女は最初に指したデカいPを「エフ」と読んで、先生を「そんなに目が悪い?!」と動揺させていましたが読み間違えただけです。次女は緊張のあまりアルファベットを読み上げるのをあきらめ、Lはスペシウム光線のポーズ、Tは「タイム!」のポーズで伝える作戦。カワイイ。対する先生は次女がPを読めたのをいいことにPのみ指す作戦に。「ピー。 ピー。ピー。ピー」。遊ばれているのかもしれない。時々挟まるトリッキーOにもギリギリ 耐えました。前屈させて背骨を見たり、パンツの中に手を入れたり、日本の健康診断とは若干違うムーブもありましたが、無事終了。「じゃ、ワクチン接種リストをください」「は?」そこから急いで家に取りに帰ったのでした。無駄な動き多すぎだけど文句を言える英話力はー。
さて、私の方はついに恐れていた事態を迎えました。ストップ腹下しシーズンインザサン! 外暑い、室内に入ると極寒、腹冷える、腹下すのルーティンです。アメリカの人々はほぼ変質者くらい肌を露出しているのに、室内の冷房がサッポロ雪まつりの氷像でも管理してるのかというくらい冷え込んでいるのです。あ、お腹冷えそうと思うだけでもう腹が痛くなってしまうー。パリでは基本ずっとお腹が痛い状態でしたが、ついにNYでもトイレ探しの旅が始まったのでした。
先日は長女と二人で食器屋さんにお買い物に行ったのですが、まず乗ったメトロが無茶苦茶寒い。降りた目の前の公園のトイレに駆け込むも、便座がない。許せん!! が! 怒っている余裕はない! トイレットペーパーで無茶苦茶拭いて座りました。O型で良かった。お腹も落ち着いたので、目的の店へ。店内はもちろん寒い。さらに商品が一面並んでいる空間に行くと腹が痛くなることを忘れていた。買いたいものもたくさんあったのに、おねがい梱包! 待てない肛門! yeah! 急いでお店を出て、近くのスタバに入るもトイレがない。もう私はオムツマンインニューヨークとして生きていく、と決心したころマクドナルドを発見。息も絶え絶え液晶で長女のシェイクを注文したはいいものの、神経が肛門に全集中の呼吸なので(鬼滅を知らない)レシートをいらないボタンを押してしまったのかレシートが出てこず、トイレのドアの暗証番号がわからない。終わった…。トイレのドアを青い顔でガチャガチャやっていたら、若い店員さんが無表情で鍵を開けてくれて滑り込みセーフ。神様かと思った。死んだお母さんの化身かもしれない。個室の中で神様に感謝の祈りを捧げ、ここを絶望と救済のマクドナルドと名付けることにしましたー。
これが眼の検査表だ!
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。
連載中のトモクンとポッドキャストやってます。
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- note『 毎日ニューヨークで困ってます! 』
- podcast『 CAFE NOISETTE 』