アメリカ人の作るパリに行ってみた ―フロリダディズニーエプコットセンター
カワイイ噴火富士山
誕生日に年に一度のエステに行くと、マッサージの他にハイドロセラピーというオマケ付き。調べても「犬のハイドロセラピー」ばかり出てくる。犬用なのか。まずメキシカンのスタッフ、ユリさんがベタ付きで、「これから暑いと寒いを1時間繰り返す」と宣言。すぐにサウナ10分、次は冷え冷えルーム10分。腹の弱い私、寒過ぎて腹痛。拙い英語でトイレに行かせてもらい急場は凌いだ。戻ろうとしたら水が流れない。10年ぶり3度目くらいの外国でトイレ流せない事件です。前はベルギー行きの特急列車で流すボタンがどうしても押せなくてパニックだったな……なんて思う余裕もなく水にぷかぷか浮いている分身達をどうするか。置きっぱなしか、正直に申告か。ここ3ヶ月で1番悩んだ。でも私もう43歳。何が見られても平常心でいられる大人と唱えて、スタッフに伝えたらニッコリ「OK!私が後でやっとく」。ユリさんが! でもこれで私の腹痛持ちにユリさんも気づいただろうな。戻って来たユリさん「次は氷を2分間身体中に塗りたくれ」腹痛なのに厳しい。その後も水風呂に頭まで沈んでこいだの、石が転がる冷たい水路を歩いてこいだの忙しいし寒い1時間であった。
さて、長女の誕生日でフロリダのディズニーワールドへ行って来ました。4つのパークのうちのエプコットセンターは世界中の国々を再現。ベルギーやスペインはキオスク的な小さいショップ一つ。しかも閉まってる。カナダはトーテムポールとあったかそうなネルシャツがイチオシのお土産屋さん。イタリアはトレビっぽい泉とジェラート屋さん。やる気スイッチ押して!?
その一方でフランス、エッフェル塔にレストランが数軒、一番人気のレミーの美味しいレストランのライドアトラクション…パリの街角をそのまま持って来たかのよう。私も久しぶりにパリに来た気持ちになり、カフェでクレープを注文。するとシロップじゃぶじゃぶの中でヒタヒタになったクレープ登場。かけ過ぎじゃん。甘過ぎじゃん。ここアメリカじゃん! 我に帰りました。フランス人だという店員に「フランスに住んでたんだよー」と伝えると無表情で「オー、イッツナイス」懐かしい塩対応。君、ここフランスじゃないんだよ、アメリカだよ?
とはいえ、アコーディオンが鳴り響き、フランスへの熱い愛は十分感じました。眠りの森の美女やシンデレラなどフランス出身のプリンセスが多いからなのか、でもアリスやピーターパンのイギリスや、白雪姫やラプンツェルを抱えるドイツはやる気なしエリアだったので関係なさそうです。
気になる日本エリアも建物がとても立派で、これはもう外国人観光客がいっぱい来てる鎌倉。向かいに厳島神社あるけど。お土産屋さんも三越が入っているので安心安全。明るく富士山が噴火している商品棚だけど。日本食居酒屋に入ると、おしぼりは出てくるし、まだ七夕の笹飾りがあるし、店員さんも日本語で笑顔の応対。日本に帰って来た! と子ども達が嬉しそう。店員さんはオリエンタルランドの人で英語勉強のため志願したそう。英語勉強を全く進める様子のない私ときたら!! 情けない気持ちで牛肉石焼ご飯を食べたら韓国風でした。
日本エリアにはアトラクションはないけれど、小さな美術館があり日本のカワイイ文化を全面に押し出し、ウォシュレットトイレも展示。「日本の会社員は昼は仕事もこなし、夜は上司や同僚と飲み会をする」とスーツのサラリーマンも珍しい生き物として展示されていました~。
甘すぎクレープ!!
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。
連載中のトモクンとポッドキャストやってます。
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