洗濯物干しに厳しいフランス
布団干しタイム
最近フランスのネット記事で、日本から来た「虹スタイル」の干し方で洗濯物を早く乾かすというものを見かけた。そんなのあったっけと思いながら気になって読んでみたら、服を一枚ずつハンガーにかけて、中央に短いもの、外側に向かって長いものを吊るす、日本で言う「アーチ干し」がライフハック的な感じで紹介されていた。確かに、今思えばフランスにいた時は服をハンガーにかけて干したことがほとんどなかった。日本で生活していると当たり前だけど、フランスでは折りたたみの物干し台やロープに洗濯物を直接かけるのが主流。
実は、自由なフランス人でも洗濯物を好きに干せない。景観を壊さないため、衛生面や安全面の問題で、分譲住宅や集合住宅などではバルコニー・テラスで洗濯物を干すのが禁止されていることが一般的だ。場合によっては干していい時間帯と駄目な時間帯で決められていたり、細かいルールがあることも。一軒家ならもっと自由だけど、それでも隣の家から丸見えにならないよう配慮し目立たない場所で干して、基本的に洗濯物を見たくも見られたくもない。
東京に来てマンションに入居した時、バルコニーで洗濯物用の棒が設置されてあって、思う存分に干す生活が始まった。周りのマンションもそうで、特に梅雨の時期でやっと晴れた日はお洗濯祭り。日本は布団を窓やバルコニーから干す習慣もあって、服が日光でパリッと乾くのが好きな人も多いよね。他人の洗濯物が視界に入るのはちょっと気になるけど、やっぱり天日干しの洗濯物は気持ちい~。
リラ
東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。
連載中コラム