「はたらく細胞」と夏休み

 年に一回の人間ドックの結果が届き、コメント欄一言目「太りすぎです。」って率直すぎる。「ちょっと太りすぎですけど、なんとかなります」とか「太り過ぎのように見られますが、努力すれば大丈夫」とか言って欲しかった。今年は去年までのクリニックではなく近所のクリニックで検査したのですが、初めてのキツい物言いがショックで他の検査結果が頭に入ってきませんでした。萎え~。前の男の優しさが懐かしいってこういう気持ちでしょうか。

物心ついてからずっとコロナ禍な次女。動物と触れ合ったこともないので緊張。

 ステイホーム時間、いかがお過ごしですか。私は刹那の充実感を得るためにありとあらゆる手作りに着手しました。手作りバッグに手作りパン、手作りヨーグルト、手作り石鹸……、それぞれ2時間くらいもちました。私の達成感の寿命は短め☆

「はたらく細胞」を見てから、自分の体を大事にしようという気になりました。乳酸菌大事!

 一方、子どもたちがステイホーム夏休みで一番ハマったのは『はたらく細胞』。コミックとアニメを何度も見ています。主人公はかわいい女の子の赤血球とカッコいいお兄さんの白血球で、他の免疫細胞などと一緒に体の中に侵入する細菌やウイルスと戦うストーリー。トイレに「脾臓」、風呂には「肺」、ベッドルームには「心臓」など、家中に内臓の名前を張り付け、キャラクターになりきって「あなた、緑膿菌ね!」「私は赤芽球!マクロファージさんのところに行かなきゃ!」など難解なセリフを吐いて戦っています。何を言ってるのかよくわかりません。もはや私が教えられることは何もない。ちなみに今座っている茶色いソファには「肛門」と貼られています。もう私はウンコでいいです。

 そんなことで親子ともどもやれることはやり切ってしまったので、ワクチン接種済み義両親の持つ、緑豊かな一軒家に子連れで押しかけてきました。コンクリートジャングルから抜け出し、自然に触れあって子どもたちにいつもと違う経験をさせたい、という狙いでしたが、大正解。台風から室内に逃げてきた虫たちが布団や台所などに神出鬼没。庭付き一軒家ナメてすいませんでした。間違いなく自然と触れ合ってるけどなんか思ってたんと違う。でも、虫を気にしていたのは大人だけで、ギャーギャー言っている大人を見て子どもたちは楽しそう。久々におじいちゃんおばあちゃんと一緒に長く過ごせて嬉しかったようです。公園に、牧場、トウモロコシ畑など、広い空の下のびのび。帰り際「家に帰りたくない」と涙を流し、子どもたちがコロナ禍で無理をしていることに気づかされました。もしかしたら部屋が狭くて帰りたくないってことかもしれませんが。

 ステイホーム中の息抜きとなったのはパラリンピック開会式の日のブルーインパルス飛行でしたね。私も広い空を求め子どもを連れて外の公園へ向かい、久々のイベントということで興奮しました。なかなか来ないブルーインパルスを待ちわびすぎて、遠くに尾を引く点を3つ見つけて「あ!!来た!あれだ!」と周囲の人々の注意を集めたら遠くの電線でした。7歳の長女の恥ずかしそうな顔が忘れられません。穴があったら入りたい心と戦って居残り、なんとか素敵な飛行を見ることができました。その間、鳥の飛行を「あ!来た!」と言ってしまった女性がいて、内心握手したかったですが、ソーシャルディスタンス。お互い、トボケていて大変ですね。


吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。ソルボンヌ大学にてフランス文化を学び帰国。日仏文化交流のための NOISETTEを設立。

●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!

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