4月中旬に夫の仕事についてNYに行くことになりました。海外に行く匂わせはあったのですが、あらゆる想定がハズレ、NY。パリからのNY って。私むちゃくちゃミーハーな人みたいじゃない……! 焦ってNYについて方々で聞いてみると、メトロのトイレは誰か住んでいる、大戸屋の定食が5000円、学校では銃乱射対策訓練をするらしい……など、怯える材料がとっても豊富☆ 震えていたら渡米まで1 ヶ月を切ってしまいました。英会話アプリをインストールして、レベル分けテストを受けたら、「カフェで注文」レベルに振り分けられて「紅茶を表す英語はどれですか」というナメ切った問題!オイ! わしゃ大学受験してるんだぞ! しばらくやった後、さすがに飽きてきたので、レベルアップ希望をクリック。再度テストを受けた結果振り分けられたのが、カフェ。また来ちゃった。
 先日はアメリカ大使館にVISA申請へ。ボブ・サップみたいな人が門番をしているのかと思ったら、シルバーセンターから来たのかな? という優しげな門番。空港のゲートみたいなのを通らされて、無事中へ。建物はディズニーランドの古いレストランみたい。シンプル&重厚。銃が撃ち込まれても絶対ビクともしない。ガラス張りのモダン&アーティスティックなフランス大使館と全然違う~。VISA申請の行列に並び、書類チェック、支払い、指紋採取、面談とスムーズに進行。気になったのは指紋採取の時、職員の方が夫には英語で言ったのに、私には日本語で「ユビ、オネガイシマス」と言ったこと。一言も発してないのに英語できないのがバレている。最後の面談でも一言も質問されなかったし。あの人私のこと見えてなかったのかもしれない。VISA届いてたってことは見えてたのか。あとは行くだけです。家も学校も決まってないけどな!

私、異様に肩幅狭い……?


 ついに発売となった『パリに住みたくなったら読む本 フランス人120人に聞いた赤裸々暮らしナビ』。編集さんらと共に2年以上かけて作った本が発売となり、感無量ってこんな感じなんだ~としみじみ。発売日には関係者の方々に感謝を伝えるべく、記念パーティを開催しました。パーティと言えば最高、最高と言えばパーティ。無類のパーティ好きのわたくしが、今回のパーティ中、悶々としていたのです。なぜなら「ぜひ本をお知り合いに紹介してください」と言いたかったのに、言えなかったからです。それはすべて転売業者のせい!

退屈している人のために「エミリーインパリ」を流していましたが、誰も見てなかった。


 不思議なことに、誰かがこの本をAmazonに出品していて、「在庫あり」と表記していたのです。在庫は全部私が持っているのに。しかもものすごい速さで到着する、と書いてある。どうやって送るつもりなんだろう? Amazon側に連絡をして事情を説
明しても、「貴方様にはほかの出品業者様を停止させる権限がございません」。完全にライバル業者を出品停止に追い込もうとしている業者だと思われている。違うんです、私が出版したんです、と言うと「出版社様が問い合わせる窓口はありません」。
出版社だと名乗るイカれた出品者だと思われている。私の設定価格よりも安く到着も早いので、一番前に表示される謎の業者。買ってくれた友人たちも謎の業者をクリックしてしまい、待てど暮らせど本が届かないというひどい状況に耐えられず、手数料の高い、早く到着するプランに変更。現在は在庫ありの私の出品が一番前に表示されています。しばらくの間Amazonに毎日長電話して毎日ケンカしました。Amazon君と付き合っていたと言っても過言ではありません。毎回違う人だったけどね!


吉野亜衣子

ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。2024年4月よりNY在住。
【HP】 https://note.com/noisettepress
【podcast】https://podcasters.spotify.com/pod/show/cafenoisette