2024年パリ・オリンピックを目前にするパリですが、大会に向けて冷めた視線を送るパリジャン・パリジェンヌが多い気がします。6月末にバカンスに出発した人も多く、街中にいるの
は観光客ばかり。という僕も、7月10日にフランスを脱出して日本に戻る予定。ただでさえ高い物価がさらに高くなるようだし、地下鉄のコンルド、チュイルリー、シャン・ゼリゼ・クレマンソーの各駅は閉鎖され、セーヌ川に架かる橋は常にどこかしらが通行止めとなり、地下鉄でしか渡ることができず不便を強いられます。そんな非人間的な扱いを受けるなんて耐えられません。この現状を不満に思うパリジャンが、セーヌ川に向け
てある示威行為をする動きが広がっていますが、内容があまりにも汚いのでここでは書きません。
 さて本題。オリンピック憎けりゃ袈裟まで憎くなるのが人間というものでして、五輪マスコットの可愛くないこと。フランス革命期にサン・キュロットが被った帽子、フリギア帽にちなんでいて、名前はフリージュ。一見してエッフェル塔に見え
るし、ネットユーザーの間では人間の身体のとある部分に似ていると話題になり、それを理由に不興を買ったよう。ぬいぐるみについても、1割にも満たない数しか国内生産されておらず、それについての批判が起きました。とにかく歓迎ムード
ゼロ。
 フランス人にとっての誇りであることは理解できますが、血塗られた歴史でもあるフランス革命の象徴をオリンピックに持ち込んでしまったことも少々残念。エッフェル塔だったらまだ良かったのに。東京の時もなかなかな冷め具合でしたが、
フランスの場合は半分無きものにしている感があるかもしれないオリンピック。早く過ぎてくれることを願っている人は多いはずで、試練の2 ヶ月半になりそうです~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。
【blog】 友くんのパリ蚤の市散歩
http://tomos.exblog.jp