実家で食べたガレット・デ・ロワ

 1月20日にフランスに戻ろうと思っていたけれど、全てデジタル配信となったメンズコレクションの仕事は流れてしまい、PCR検査の結果提出など、多くの条件をクリアにしないとフランスに入国できなくなり、あっさりと断念しました。折角先延ばしできた滞在許可証の更新のランデヴーも自動的にキャンセル。もうどうにでもなれ~。

 それはそうと、カトリックの公現祭で食されるパイ菓子、ガレット・デ・ロワをとうとう日本で食す機会が訪れました。粉物のお菓子には飽き飽きしているのだけれど、ガレットにだけは目が無い僕。中に入っている陶磁器や金属で出来たフェーヴを当てた人が王様となり、その年1年を幸せに過ごすことが出来る、というゲーム性も魅力です。

 今回、実家近くのパティスリー、Maison Bon Goûtで偶然見つけて買ってみました。パイの焼き加減やアーモンドクリームの甘さ、プレゼンテーション、そのどれもが素晴らしく、今まで食べたガレットの中で一番! 文字通り舌を巻いたのでした(ごめんなさい。写真は王冠とフェーヴのみ)。
 思えば、盛り付けが美しく、味のバランスが良いと思うお菓子を置いているパリのパティスリーには、必ずと言って良いほど日本人パティシエが働いています。それはレストラン然り。労働許可証が無いのに何年も引き留められ、許可証を取得して晴れて正式採用、となる日本人パティシエ(料理人も)は数多いるようです。

 手先が器用というこということもあるのでしょうが、熱心に研究・分析し、努力し続ける人が多いからなのでしょう。こんなにも美味しいガレットが食べられるのであれば、もうフランスに帰れなくても良いかな、なんて思い始めてしまったのでした~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 

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