次女ももう年長さん。我が家に幼稚園児が居る生活も残りわずか、と日々惜しみながら過ごしています。スーパーに並ぶカップラーメンを触って、「温かくないよ？なんで？」と言ったり、おもちゃの電話から「今日は何して遊んだ？」と流れて「う～ん、昨日でもいい？」と聞き返したり、「アリエルの映画は海に行って人魚に会った人が撮影したのかな～」。と言ったり、まだメルヘンの世界で生きている5歳児、このままでいてほしいような、いや、もうちょっとしっかりしてほしいような悩ましい親心です。
先日は一緒に幼稚園のイベントで区民会館で劇を見に行ってきました。現地集合ということで、最寄りの駅でクラスメイトに遭遇。「会えてよかった～迷いそうで～」なんて母親同士、もう3年目の仲ですから慣れたトークを繰り広げて、電車を降り、目的地に向かいます。するとお母さんが「皆、迷ってるみたいで、朝からラインが目まぐるしく動いてますね」。「アハハ……」こちら新着メッセージ朝から0件なんですけど……！愛想笑いしながら念のため携帯を確認したけどやっぱり無風の0件。3年目なのに0件。変な空気になって、歩く距離も空いてきて、結局バラバラで劇場に入ったのでした。ちなみに個人面談で先生から「次女ちゃんは、特定のお友達はいないみたいですね」。同じやないかい。あっ、母のせいか。
次女とは正反対のちゃきちゃき長女8歳とはこの間、初めて東京ドームのコンサートに行ってきました。私が3年間推しているアイドルグループのコンサートです。やっとチケットが当たって、震えるほど感動していた母をシラーっとした目で見ていた長女ですが、コンサート自体が初めてだったので、会場に入った瞬間「ひろい！！すごい！！」と大喜び。アイドルが乗るトロッコを人力で動かしているスタッフさんに感動したり、上から降ってくる風船やテープに手を伸ばしたり、コンサートより演出に興味がわいたようです。私も初めてのアイドルコンサートなので、周りの様子をキョロキョロ見ていたのですが、年配も多め。娘に付き合ってきたお母さんや、夫婦で来た中年などなど、私よりも年上の方がいて一安心。MCタイムでは「男たちも来てるか～」「ウォー！（男の観客）」「ちびっこも来てるか～」「ハーイ！！」（娘含む子供たち）「40歳以上来てるか～」「イエー！」と自由を導く自由の女神の如く手を挙げたところ、ここら辺一体で私一人。周りの年配たちがしらばっくれている。もしかして皆かなり老け顔の30代なの？？結局、長時間熱気に包まれて長女は疲れきって終了。風船やテープはゲットできなかったけど、楽しかったね、と気を遣う長女に、通りすがりの「風船、欲しい？」と優しいファンの女性が貴重な風船をプレゼントしてくださり、長女歓喜。帰り道に「風船とテープ、分けてください」と立て看板や、携帯の画面に表示して立っている無表情のファンを多数見かけて「この風船、そんなにみんな欲しいの？？」とオタクの狂気に触れ、風船をぎゅっと抱える姿は少し怯えているようでした。
さて、先日はパリ時代のお友達を家に招待してパーティをしました。みんなそれぞれの道で頑張っていて、楽器演奏をしていた友人はダンサーになり、刺繍をしていた友人はケーキ屋さんになり、水たばこを吸っていた友人はグルテンフリー＆自家製味噌生活をしていた。一方、「えっ あいこちゃんは、今もパリの話しているの？」ええそうです！しつこいんです。そして来年にはノアゼットプレスの10周年だから本を出版します！変化も進歩も無い人間の底力（のなさ？）を見せる所存です！
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます！
http://www.noisette-paris.net/aiko-paris/