気付いたら来月終了となっていましたが、ポール・スミスがアーティスティック・ディレクターを務めたピカソ展をご紹介します。

ムージャンのノートルダム・ド・ヴィでパブロ・ピカソが亡くなってから50年となる今年、一大プロジェクトとして立ち上がったのが、イギリスを代表するデザイナー、ポール・スミスを芸術監督に迎えての展覧会でした。

ピカソ以前とピカソ以後では、アートの流れが全く異なる、と言える程の影響を与えた偉大なアーティストによる傑作を厳選。それらを、ポール・スミスらしいストライプやボーダー、チェックモチーフが彩り、新鮮な視点で陶芸を含む作品全体を観賞することができるようになっています。ちなみに青の時代の作品は、ダークブルー一色に塗られた部屋に展示。一点一点に集中して鑑賞できるような環境が作られています。今回ポール・スミスは、ピカソ作品にボーダーやストライプが多く使われていることに気付いたそうで、臆することなくそれらをモチーフに使うことができたそう。色とモチーフが共鳴し、部屋と作品が見事に呼応していました。

ピカソに影響を受けたギジェルモ・クイッカやミカリーン・トーマスなどの現代アーティストによる作品も展示されており、華を添えてはいるものの、やはりピカソ作品の前ではやや役不足な感じは否めず。とりあえず、ピカソの代表的な作品を堪能できる好企画ではありますし、ポール・スミスのオプティミスティックなセンスとの融合を楽しめる内容ともなっています。ギリギリのタイミングですが、もし間に合うようでしたら是非訪れてみて下さい~。


« CÉLÉBRER PICASSO. LA COLLECTION PREND DES COULEURS »

~8月27日まで

Musée National Picasso-Paris

5 Rue de Thorigny, 75003 Paris

火曜~金曜 10時30分~18時 

土曜・日曜 9時30分~18時

月曜休館 

電話: 01 85 56 00 36

www.museepicassoparis.fr


トモクン

●友くんのパリ蚤の市散歩 
http://tomos.exblog.jp

トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。