全然違うフレンチ小学校と日本の小学校
ついに長女はフレンチ小学校を3月で卒業しました。「最終日にお別れ会をする」と担任のおばあちゃん先生から予告され楽しみにしていた長女。一張羅のワンピースを着せて登校させ、家族全員でお迎えすることにしました。
別れを惜しんだお友達に囲まれて出てくるのは遅いだろうな~と校門で待っていると、すんなり現れた長女から一言「普通の日と同じだった」。……そんな気がしていたよ! 先生からクラスの集合写真を印刷したものを渡されて終了したそうで、隣で聞いていたクラスメイトのNちゃんママも「そうだとおもった」。絶望していると、Nちゃんは小さな花束をおもむろに取り出し、お友達5,6人からの寄せ書きと一緒に渡してくれるではありませんか。お友達が集まり始め、小さな集合写真も撮影できました。家に着くと私の携帯にNちゃんから「一番大好きだよ」というビデオメッセージまで届きました。Nちゃん親子が居なかったらどんなに侘しい最終日に……!メシアー!
学校からのアクションと言えば、「退学届を取りに来てください」とのメールが3通くらい情熱的に届いただけ。寂しく思っていた数日後、郵便受けに長女の口から一度も名前の挙がったことのない日本語の先生からのお手紙が。最終日に娘が渡した手紙の返事のようで、親へのメッセージには「やめられてしまうのが残念です」と丁寧に書かれており、娘を認めてくれていた先生もいたのだ、と温かい気持ちに。その後も、カメルーンからやってきたクラスメイトN君G君兄弟からの手紙も到着、「日本の学校の友達の名前は何?」「先生はどんな人?」などフランス語のカワイイ文章の後には「君の友達、NとGより」にズキューン! 親のほうが胸を打たれてホロリ。サッパリした学校生活の中でも優しい人々に出会えたね。
長女は休む間もなく日本の小学校に入学しましたが、先生から怒鳴られない生活に感激しきり。これまで学校の話をほとんどしないロックな子と思っていたら、「先生がこんな面白い話をした」「クラスでこんなこと言ってウケた」など話し出しました。単にフランス語で先生が何言ってるかよくわからなかった、自分もうまく話せなかっただけの話だったか。懸念していた、シェフによるおいしいフランス料理給食で育った彼女が日本の給食に満足できるのか問題ですが、「全部めっちゃくちゃおいしい」。シェフじゃなくても全然大丈夫でした。なーんだ。
親のほうも、先日夜携帯に突然先生から電話があり、何事かと思ったら「お嬢さんの宿題をほかの子が持って帰っちゃいました。もし家で探していたら可哀想なのでお電話しました」。手厚すぎて電話口で腰抜かしました。日本の学校なんなの。
とはいえいいことばかりあるわけもなく、フレンチ学校で存在しなかったものが無数に爆誕中です。プリント、体育着、給食袋、上履き、検尿、宿題の親のチェックマーク記入……一言で言うと手間が5倍。でもこちとら「これまでなくてもどうにかなってたんだから」の心構えで心身ともにどっしりできてます。しかし希望に満ちた学校生活も早々に学年閉鎖が勃発!それはまた次のお話~。
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。ソルボンヌ大学にてフランス文化を学び帰国。日仏文化交流のための NOISETTEを設立。
●NOISETTE公式ブログ 今日もパリで困ってます!