マスタードと鴨肉が品薄に パリのスーパーマーケットも節電スタート
7月半ばにパリに戻り、真っ先に向かうのが近所のスーパーマーケット。朝開店したばかりの時分でしたが、点いているライトが半減し、急に暗くなりました。以来、全てのライトが点くことはありません。とうとう節電が始まったようです。スーパーは、人々の嗜好の移り変わりや政治・経済事情を直接的に反映するバロメーター的な場所でもあり、非常に興味深いのですが、昨今の棚の様子を見る限りでは、日々深刻さを増しているようで少々気掛かりです。
ウクライナ侵攻が始まった直後くらいに、フランスでサラダオイルの買い占めが起こり、スーパーの棚から消えた時期がありました。でも、これはすぐに問題解決し、以来品薄にはなっていません。ただし、以前に比べると1本につき100円くらいは値上がりしているでしょうか。
さて、ここにきて問題となっているのがマスタード。これは原料がウクライナやロシアに関係しているわけではなく、単なる不作によるもの。近所のスーパーの棚はご覧の通り(写真)です。僕はマスタードはほとんど使わないのですが、こんなことは今の今までなかったです。そして、僕にとって一番問題なのが鴨肉。鴨南蛮を食べようと思い、生の鴨肉を買いにスーパーへ行ったのですが、棚には加工された鴨肉しかなく、食肉店でもない。聞くと、鳥インフルエンザで壊滅状態とか。
鴨とマスタードに直接的な関連性はないのでしょうが、節電と共に何かの始まりの気がしてなりません。すぐには解決しそうにないことだけは確かなよう。その他にも、スーパーが独自に出しているティッシュペーパーが消え、大手の製品に全て置き換わったことも不気味。今後、不足となる品目が増えないことを祈るばかりです~。
トモクン
トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。
●友くんのパリ蚤の市散歩