ちょっとやり過ぎ?なぜか日本を売りにするカジュアルブランド『セリオ』

 特に野球に興味のない僕ですが、毎回阪急阪神百貨店さんでの催事に参加してお世話になっている身としては、阪神の18年振りのセ・リーグ優勝のニュースは興味深く受け取りました。大阪にいた友人曰く、街は熱気に包まれ、特に阪急百貨店での特売は、「黒毛和牛が4割引」なんてのもあったりして、実に魅力的だったようです。
 それはそうと、アパートの近くのお店のウィンドーを通りかかった時のこと。阪神優勝のニュースが自分にとってホットな状態だったので、このパーカを見てビックリしてしまいました。まさか阪神優勝に合わせて作ったのではないでしょうが、このシンクロニシティ具合は一体何?
 このお店はセリオ(Celio)といい、日本での認知度は限りなくゼロに近いと思いますが、フランスではちょいダサの男性達を支えるカジュアルブランドとして広く知られる存在です。1978年創立で、昨年の年商は約200億円、雇用人数は1800人という大企業。立ち上がっては消えていくブランドが多い中、これだけの歴史と売り上げを誇っているのは、強い支持層がある証拠でしょう。


 とにかくこのブランドは日本推し。ポケモンとのコラボレーションは4年程続いているそうで、ピカチュウのTシャツは未だに販売されているし、今年の春夏には、ドラゴンボールZとのコラボアイテムがウィンドーにド~ンと飾られていて、何だか微妙な感じがしました。どうやら創立者のお嬢さんの仕業のようですが、少々度が過ぎる気がします。日本のカルチャーを前面に押し出していることは、日本人として嬉しいけれど、その反面、日本への思い入れの強さはある種の偏りを感じさせ、見ていて不安な気分にさせられます。少々居心地が悪い。何よりも、この大阪パーカやブルゾンを着ている人を街で見かけたことがないのが不気味です。他人事ながら心配。そんなに日本推しで大丈夫なの?


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 
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