ショーから映像へ。パリコレクションの新しい発表形式。

 3月1日から10日間、パリコレクションが行われました。もちろんショーは行われず、全てデジタル配信です。

 各ブランドは、服を撮影したルックブック写真と共に無観客のキャットウォークショーの映像、あるいはイメージフィルムの映像を発表しましたが(ほぼ全てYouTubeで鑑賞可能)、ブランドによって個性が出ていて面白かったです。

 シャネルは、僕のアパルトマンの近くにある隠れ家的クラブで撮影し、ミュウミュウはウィンタースポーツやアウトドアウェアを意識して雪山で、クロエはサン・ジェルマン・デ・プレ界隈の老舗ブラッスリー・リップやカフェ・ドゥ・マゴを巻き込み、サン・ジェルマン大通りとサン・ジェルマン・デ・プレ広場をランウェイにしたショーフィルムを発表。皆さん、とにかく外に出たいのだなって。そんな中で、世の人々の欲求を素直に表現していたのがバルマンだったかも。エールフランスの全面協力の下、なんと飛行機の主翼をランウェイにしてモデルがウォーキングする映像を発表したのでした。現実的には絶対に有り得ない行為ですが、それはさておき、ネックピエロウ型のイヤリングや紙飛行機型クラッチバッグ、シートベルト風バックルのチェーンベルトなどが登場していて、隅々にまで“飛行機感”を演出するという凝ったコレクションでした。空の旅が恋しいのは僕もそうでして、「パリに戻れるのはいつなのだろうか」と、映像を見ながらずっと考えていたのでした~。


トモクン

トモクンという名の45歳。在仏21年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。

●友くんのパリ蚤の市散歩 

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