自家製堆肥

 東京で庭付きの一軒家に住むという遠い夢が叶うまで、今はアパートの狭いバルコニーに置いてあるプランターでハーブなどを育てている。虫に食べられたり、大きく伸びなかったりして大変さもあるけど、自分で収穫した物を調理して食べる達成感も大きい。でも一軒家を持っていなくても、緑が少ない都会で土に触れる機会を提供してくれる貸し農園の一角を借りるという手もある。

 フランスでは、共同畑の他に共同コンポストも増えている。マンションの下や町の様々な場所で常設され、家庭から出た生ごみを持ち込んでコンポストに投入することができる。パリ市内だけで、既に数百の共同コンポスターが設置されているらしい。実家がある田舎町でも、ボランテイアでコンポスターを共同管理して、出来た堆肥を自由に使うことができる。

元気だった時のハーブたち

 それもまたさらに広がっていくだろう。というのは、廃棄物とサーキュラーエコノミー法の一環として、来年の1月から一般家庭でも生ゴミを堆肥化することが義務付けされる。実際、フランスの家庭ゴミの約3割が生ゴミで、それを単に捨てるのではなく土に戻すだけで大きくゴミを減らし、環境への負担も少なくできる。

東京のレンタル畑

そう言いながら私も長年コンポストをやろうと思って中々手を出せていないのが現状。蒸し暑い日本の夏でも大丈夫なのか、ちゃんと継続できるのか、やっぱり東京のアパートで作るとなると不安がある。でも実はコンポストの方法がたくさんあって、都心のライフスタイルに特化したやり方もある。例えば、フランスでも販売されている日本発のLFCコンポストは、専用のカバンの中で気軽にできそうだ。今度こそコンポストデビューをしてみよう。


リラ

東京で翻訳者としても活躍する29歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。

●Coucou mes amis -フランス便り-
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