フランス人はあっさりと人生を進む

 今年の4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた日本人は、フランス人と同じ年齢で「大人」になる。昔、フランスを含めヨーロッパの多くの国は成人年齢を21歳にしていたが、今は18歳が多い(フランスは1974年から)。

 でも私は17歳の時に「成人」になった。それは、フランスでは親の申立てと裁判官の判断で16歳以上の未成年が成人年齢の前に成人のような扱いになれる「未成年解放」という制度があるからだ。17歳のうちに大学のために実家を離れ一人暮らしを始めたので、完全に独立した方がやりやすかったからその制度を利用しただけで実際大して変わらなかったけど、ちょっとだけ早く成人になったのは不思議な気持ちだったね。

前撮り撮影中かな?

 そういえば最近、成人式があったよね。生後7日目から100歳まで、人生の様々な節目を祝う日本と違って、フランスは人生のステップを記念する「式」が少ない。特に学校時代は、入学式も卒業式もない。あっさりと始まって知らぬ間に終わる。小学校の時は学年末にみんなで親の前で合唱したりした記憶があるけど、それぐらいだな。

七五三

 アメリカドラマや映画で見慣れているあのガウンと角帽で卒業証書をもらう卒業式は有名だよね。皮肉なことに、実はそれが元々何世紀前にフランスの大学で始まったらしいけど、1968年の五月革命からその習慣がなくなったとか。現在大学によってはまたやるようになったけど(特に修士と博士向け)、私は大学の卒業証書を郵便で受け取った。大学生活を離れ社会人として人生を進んでいく実感が薄いね。ちょっとした記念が欲しかったな〜。


リラ

東京でフランス人観光客を案内する仕事を始めたばかりの26歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。