「なりたい私」を撮る⁉未来のイメージを提案するフォトグラファー

【今月のお客様】坂本さおり さん

今回は2017年に撮影会社「ラヴィ・ファクトリー」パリ支店を単身で立ち上げたフォトグラファーの坂本さおりさんにインタビュー! ブライダルフォトを中心に活動する坂本さんに、パリでの撮影エピソードやプロフィール写真の撮影についてお聞きしました。

サクレクール寺院で
観光客から拍手が!?

パリのブライダルフォト撮影はどんな感じ?


 事前にパリでどんな写真を撮りたいかお客様に聞いてプランを考えますが、当日は「観光する感じでいいので」と二人に伝えて、できるだけ身構えずに楽しんでる様子が気が付いたら写真になっているのが理想です。トータル10時間程度かかることもありますが、あっという間だと言われることが多いですね。


観光客が多いパリでの撮影、難しさはありますか?


 人が全くいないようには撮れないので、タイミングや場所を見計らっています。逆に人がいたほうがいい場面もあって、たとえばモンマルトルは観光客が多いから「おめでとう!」と周りが言ってくれるんですよ。サクレクール寺院の階段で誰かが拍手しだすと、みんなが拍手してくれたり。コロナ以降は挙式せずに、海外でブライダルフォトを撮る方もいるので、「私達にとっては今日が結婚式です」と言われることもあります。


写真家になろうと思ったきっかけは?


 成人式に撮ってもらった写真が気に入って、学生時代にその写真屋さんでバイトしたのがきっかけです。就職したアパレルは合わずにやめて、また同じ写真屋さんでバイトしていたところ、姉の結婚で見たプロカメラマンのブライダルフォトがすごく良かったんです。そこからブライダルフォトに興味をもって会社に電話したら採用となり、20年ほどやっています。


パリはどうですか?


 楽しいです。でもフランス語があまりできないので困ることもあります。事務所の建物入口のコードが変更されていて入れなかったときは、小雨のなか外で佇んでみたり、小石を窓になげても気づかれず。結局しょんぼり帰って大家さんにメールしました(笑)。

もう一歩踏み込んで
もう一歩先の未来を撮る

ご自身のInstagramに掲げたテーマ「ワンランク上の未来」とは?


 最近起業やフリーランスが多くなり、プロフィール写真を撮る方が増えてきたので、そちらに力を入れてきているんです。今の自分というよりは、こういう風になりたいというのを撮りたいかな。パリに住みたい人なら、すでにパリに住んでるかのように撮る。先に写真を撮って視覚のイメージを刷り込ませて、その後の行動が無意識に変わって未来につながっていくように。ワンランク上というのは、今はまだそこにはいないけど、いずれそうなりたいという願いを込めてつけています。


どんな方法で撮りますか?


 まずお客様と話をして、お客様自身にどう見せたいかを言語化してもらうんです。その言葉からこちらが撮影のイメージをする。今の姿を素敵に撮ることもできますが、私はもう一歩踏み込んで、もう一歩先に行きたい感じなんですよね。
なぜプロフィール写真を撮るんですか?
 現地の人に愛してもらえる店舗じゃないと、海外支店がある意味がないと思うんです。フランス人はあまりお金を出しませんが、パリ在住の日本人や日本からくる日本人の方にもご利用いただけるお店にしたくて、プロフィール写真に行きついたところはあります。


お仕事楽しそうですね。今後やりたいことは?


 撮った写真を見て喜んでくれたり、人生の節目に入れていただけるのは嬉しい。一番嬉しいのは、撮った人がまた依頼してくれること。4年前にブライダルを撮った方が、お子さんもつれて家族写真を撮りにきてくれたり、20数年のお付き合いで、3か国にわたって家族写真を撮影させてもらえる方もいたり、カメラマン冥利に尽きるなと思います。
 私が得意なのは、目の前の方のリクエストに応えること。まだまだやな~って思いますが、今後はプロフィール動画を撮りたいなと思っています。


最後にさおりさんが個人的な好きなパリの撮影スポットは?


 早朝のトロカデロ広場と夕方のアレキサンドル3世橋、夜のルーヴル美術館ですね。アレキサンドルはエッフェル塔が見えて、夜景も見えて豪華です。
【Instagram】s.a.o.r.i_photography