恐怖!虫襲来にターミネーター現る!

夏休みに行ったマルタ共和国

  ニューヨーク2回目の夏、蒙古襲来ならぬ、蒙虫襲来じゃー!見たことのない虫が台所付近に大量発生しました。アリよりも細長くて、2、3ミリの羽のない虫。こちとらパリでは南京虫が発生して最初に住んだアパルトマンを引っ越した経験がありますから。人間が虫に対して無力であることは痛いほど知っております。あの時は駆除業者に7万円取られたのに、結局虫はステイ。退去したのでしたが、今回はどうなることか。ニューヨーク価格が怖くて震える〜。虫に最初に気づいたのはお嬢でした。学校に持って行った保冷ランチバックに虫が3匹いたと。プエルトリコ人の屈強なお友達が退治してくれたものの、大騒ぎしたらしい。その数日前にセントラルパークに持って行ったから、くっついちゃったのかな?なんて呑気な考察をしていた、数日後。米を研いでいたら、数匹の虫が研ぎ汁でプカプカスイミング、真夏のジャンボリー!ネットで調べると、「米にいる虫は数匹くらいなら食べても大丈夫」ゴマみたいだから平気ってわけにはいかないんですけど。とりあえず米びつに入っていたお米は廃棄。その後も、食器棚のお皿の上を歩いていたり、コップの水に浮いていたり、頻繁に出くわすようになり、スーパーで買ったアリの巣コロリ的な薬剤も置いて衰え知らずの元気いっぱいで、活動範囲を広げてらっしゃる。
 これは素人が敵う相手ではない、神風を呼ぶ時
が来た。マンションの管理人さんに写真付きで助けを求めてみたところ、すぐに「ターミネーターを行かせる」ターミネーター!? めっちゃ強そう!アメリカに来て良かったかも!3日後くらいにやってきたターミネーターは虫を見るなり「コイツらはアメリカ国外から来ている。グレインビートル(grain beetle)だ。」名前カッコいい! 複数いるからグレインビートルズ!
 ターミネーターは息をするようにビシビシ指で退治しながら「巣があるはずだから探す」と、台所付近のいろんなものを取り上げては下ろし、を繰り返して「見つけた!」と取り上げたのは棚の奥にあったチャイの素。ニューヨークのインド人街、マレーヒルで買った、インスタントチャイの粉でした。未開封だったはずなのに、袋の中でいっぱいのグレインビートルがお祭り状態。棚の中からいろんなところへ新天地を求め、探検していたところに出くわしていたようです。グレインビートルは、小麦粉とか米が好きと言うことでしたが、うちでは子ども達のお菓子ストックにも住み込んでいた。全部捨てようとすると、「そこまでする必要はない。俺なら食べる」って言っていたけど、さっきそこらじゅうに何やら薬品散布してたような……。「ターミネーターだから殺虫剤くらい食べられるよね」と言ったら若旦那が「エクスターミネーター(根絶させる人、駆除させる)だよ。ターミネーター(暗殺者)じゃないよ」シュワじゃなかったのかー。なんかガッカリ。
 その後も、ちらほらグレインビートルが我が家を散歩しているのを目撃。虫'll be backの予感。ちなみに料金は無料。死ぬほど高いマンションの賃料に含まれている模様。いいんだか悪いんだか。

気持ち悪さが少ない写
真。反対側は大変なことに

吉野亜衣子


ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。

連載中のトモクンとポッドキャストやってます。