ワンオペで虫バスターズ――インディは動いているだけで尊い
最近夫の出張が多かったので、8歳児と5歳児と3人暮らしの期間が数回ありました。困った時に頼りになるシッターさんもコロナ陽性ということで、ワンオペです。いつもは分担している子どもの習い事も、重なりに重なって送り迎えが1日6回になった時は、自転車をこぎながら「私はどこに向かっている?」と混乱しだして危なかったです。
一番困ったのは、部屋に虫が出た時。今まで見たことのない巨大な虫がカーテンにくっついていて3人でギャー! いつもなら夫が虫処理班だったのに、娘二人は走って寝室に籠ってしまい、私しかいません。長い羽があるけれどフォルムはアリ。これは毒のある虫なのか……?そうだ、CMで見た、Googleカメラでわからないものの写真を写して、お店の名前など、パッと検索してくれる機能を試してみよう!恐る恐る虫から30センチほどまで近づいて、パシャリ。検索結果を待つこと3秒。結果は「カーテン」。さすがに知っています。知りたいのはその手前です。Google先生しっかりして! 結局「アリのような羽のある大きい虫」で検索して、「シロアリの一種」ということがなんとなくわかり、ほっ。ほっとしていいのか? とりあえず10枚くらいのティッシュで感覚がわからないほどの厚みにして掴み、お外にポイっ。達成感。神様、私頑張りました! ティッシュごと投げたことは許してください!
子どもたちはもうすぐ夏休み。どうやってお金をかけずに子どもたちの夏を充実させるか、という難解なテーマに頭を悩ませている今日この頃。「皆さまの夏休みのご予定を一言ずつお願いします」幼稚園の保護者会で、先生から恐ろしいテーマを投げかけられました。震えた。全く何の予定もないから……!皆さん重い口を開き、「キャンプに行く予定です」「田舎に帰ります」など無難な答えが続く中、「アメリカのディズニーランドでミッキーに会ってきます」と一人のお母さんの輝かしい旅行計画に、どよめく教室。まぶしい、まぶしすぎる。途端に何か凄いことを言わないといけないムードになってきました。「我が家は毎朝6時に夫が公園に子どもたちを連れて行くことにしました」ええ⁉ 旦那さん偉すぎてまぶしい。極めつけは「実家の建物が重要文化財に登録されておりまして、そこに行ってきます」重要文化財⁉ 企画が斜め上すぎて全く参考にならない‼ もう国宝に住むしかない。このインフレを誰かが止めなければいけない。次のお母さんが「うちは……なるべく家を出ないで過ごすのが目標です。暑いんで」流れを止めてくださってありがとうございます‼ああ、今年はどうしようか。国宝に泊まれるプランを探してみるかな……。
さて、暑すぎる週末は映画館へ。ルーカスもスピルバーグも大好き世代なので、もちろん「インディジョーンズ運命のダイヤル」を観てきました。何を隠そう、理想の男性のタイプはハリソン・フォード。頭が良くて生命力があって、女性に弱くて、皮肉っぽいインディを楽しみにしていたら、今回の映画は皮肉っぽいだけだったような? でもいいんです。インディは生きているだけで尊い。動いていてくれるだけでファンサ。でもインディも今回で終わりということで寂しい気持ちで観終わりました。スクリーンで会えただけで嬉しい数少ないスター、ダースヴェイダーもルークも、レイアも消えた。マーティもマクラーレン刑事は病気でいつ会えるかわからない。残るは希望の星はロッキーか、ターミネーターか、イーサンハントか。「トップガンマーヴェリック」でムキムキ海辺ダッシュを披露していたトムクルーズならあと30年位はどうにかなりそうです。でもインディのようにチャーミングかというと疑問符も。新しい推しを今から探しておかねば。それにしても今回の映画もアントニオバンデラスがチョイ役で出演していて、ゾロをもっと大事にしたほうがいいのでは、と不安に。適当に扱われているけれど相変わらずイケメンであった。マスクオブゾロの続編を待つ!
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。