謎な和食レストランが乱立! アジアンタウン化するオデオン地区
パリの代表的なアジアンタウンといえば、13区のイタリア広場から南側に広がる中華・ベトナム街、10区、11区、19区、20区の境にあるベルヴィルの中華街が代表格です。アール・ゼ・メティエの中華街や和食レストラン街であるオペラ地区のサン・タンヌ通りは、規模は小さいかもしれませんが、特に後者は韓国の業者の参入によって知名度を上げているかもしれません。
そんな中、僕の住む街オデオンがアジアンタウン化し始めていて、少々危惧しています。ドーフィーヌ通りとマザリーヌ通りに中華や韓国料理の店が乱立し始めているのだけれど、特に問題となるのが和食レストラン。素敵なスポットばかりだったら良いものの、どう考えても日本人が経営していないだろう、みたいなレストランばかり。
その代表格が、写真のカレー専門を装っている和食店。当初、店名の振り仮名は「カリ」でしたが、指摘があったのか最近変更されました。ものすごく謎なのが、昼の定食に串焼きになっているお好み焼きがあるところです。
その他に、鯛焼きとおでんという微妙な取り合わせを売りにする店や、「元気」という店名のティーサロン、「Nagano」や「Nagoya」といったご当地名付き寿司店などの店がたくさん。あくまでも僕の推測だけれど、日本のラーメン店で修業をしたフランス人による「Kodawari」が大人気となり、それがオデオンに和食の店が集中する契機になったと思われます。そんな中で、パティスリー「朋」や、「一風堂」、老舗格のお好み焼き店「Azabu」など、日本の味をしっかりとアピールするお店があり、また和食ではないけれど、守江慶智シェフによるミシュラン1つ星「Yoshinori」といった素晴らしいお店もあるので、日本人の威厳を保つという意味で救いになっているかもしれません。とにかく、前もって情報を得て、吟味してから行かなくてはいけない時代となりました~。
トモクン
トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。
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