公立小学校の謎パーティに潜入

ガラパーティー会場となったレストラン
「ガラパーティ行く?」と保護者達が騒ぎ出す時期がやってきました。先輩お母さんに聞いてみると、学校の資金集めパーティー・みんなが持ち寄ったモノをオークションで買う・大人だけ参加・テーマに沿ってドレスアップ。
さあ、行くと決めたら入場券です。って100ドル以上もする。すると翌日に主催者から送られてきたメールのタイトルが「ライアン・ゴズリング
がパーティに来るぞ!」ララランドの?メールの中身には一切詳細記載なし。悶々として永住のお母さんに尋ねると、「アメリカの良くあるジョークね。『ディカプリオが来る!』とかやるんだよ。ライアンはちょっとひねった感じかな?」アメリカンジョークわかりづらい。
服のテーマはPalm Royal。焦って調べたところ、Apple TVのドラマでした。 1ミリも知らない。 70年代のビーチを舞台にしたカラフルな服らしい。迷いましたが、家にあった適当なワンピースでどうにかすることにしました。
ついに迎えた当日。会場のカフェは人で溢れているけどライアン・ゴスリングはいない。いつもパジャマみたいな服装の親や先生たちが、露出多めに花柄やカラフルなドレスで、浴びるようにお酒を飲んでます。競売されるのは子供達のアート作品だけではなく、「有名レストランディナーチケット」などのお得なものから、「有名テレビ番組観覧チケット」などスペシャル感を味わえるチケットや、さらには「先生とピザランチ」「一日アートの先生になれる券」誰かが買わないと先生が不憫だから買わなきゃ心をくすぐるチケットも多数。
まずは全く見たことがなかった校長の挨拶。その後はコメディアン司会のオークションスタート。札を上げて競り合うのですが「俺はノーギャラで来てるんだ。何のために来てるかわかるか。お前らの子供のためだよ!!」「お前、上げろ!」「やめないよな?」とグイグイくる。
ドリュー・バリモアとお茶が飲めるチケットを2000ドルで落札したのは4人の日本人のお母さんたち。「もし競り落としたら割り勘にしようね」なんて軽口を叩いているうちにあれよあれよと煽られて2000ドルに。1人500ドル……高いのか安いのかわからないけど、一番若いお母さんに「ちなみにドリュー・バリモア知ってますか?」「勉強します」知らんのかい。「今調べたらETに出てた人なんですか? ET役じゃないですよね」どっから説明しよう。
一番の高額商品は長女のクラスのアート作品集。子供達の絵や写真やポエムなどをまとめて印刷した本がどんどん競り上げられて3200ドルに。それが3冊売れていました。ってことは9600ドル。150万円?娘がお菓子食べながら5分くらいで描いた漫画が?飲み放題で判断能力を限りなく低くしてお金を落とさせる作戦、大成功です。
翌日、主催者からのメールにはライアン・ゴスリングがピンクの服を着て笑顔を向けた写真と共に「一晩で10万ドル集まりました!」あのふざけた3時間で1600万円……。 PTA、ジョークは微妙だが仕事はできる。
高価に売買されるモノたち

吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。
連載中のトモクンとポッドキャストやってます。
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