マルシェを楽しんできた

マルシェでお買い物!
南仏で1ヶ月間の滞在を終え日本に帰ってきたのだが、この往復に慣れているとはいえ、毎回少しカルチャーショックを感じている。もう10年ぐらい住んでいるのに東京の日常に戻れ今月のハート 料理 るまでは多少時間がかかるけど、フランス語を忘れたり、帰っていない間は変わったりして母国に着いた時も毎回溶け込むのに時間が必要。さて、フランスにいる間に再発見したことを改めて振り返ってみた。
実家の田舎町に着いた時、まず懐かしく感じたのは空気だ。特に冬の時期は、近くにある山のフレッシュな空気に薄っすらと薪の匂いがする。あまり意識したものでもなかったが、子どもの時から思わず知っているこの匂いに癒された。
そして楽しみだったのは、毎週月曜日の午前中に開催される大きなマルシェ(市場)。地元やその周辺の生産者がブースを出し、チーズ屋さん、八百屋さん、お肉屋さんは言うまでもなく、はちみつ、たくさんの種類の味付けされたオリーブ、石鹸などの手作り商品、アクセサリーや洋服まで、幅が広くてわくわくする場である。作っている人たちと直接会話したり、身近な関係が気づけるのはやっぱりいいなと思った。またマルシェを歩くと、必ず知り合いにばったり会ってフランス人得意の立ち話しが始まるので買い物がなかなか進まないが、これも含めてのマルシェ体験。10代の頃はそれがめんどうくさく感じてマルシェに行きたがらなかったが、今は楽しめるようになった。
フレンドリーな雰囲気のマルシェではもちろん、お店の人や街中の知らない人にも誰とでも挨拶を交わすという習慣も久しぶりに蘇った。日本も田舎ではもっと挨拶すると思うけど、ずっと東京暮らしなのでその習慣を忘れていた。道ですれ違う人に「こんにちは」を言ったり、お会計の時店員に「よい一日を」と言われ「ありがとう、あなたも」と返したり。このフランスモードのまま東京に帰ってきて道ですれ違ったおばあちゃんに思わず「こんにちは」と言いそうになったけどやめておいた。

リラ
東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。
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