変わりゆく美容の価値観

韓国のスキンケア売り場で見つけた『あたしンち』
数年前、日本に来て驚いたことの一つに、ビールの広告やタバコの宣伝が身近にあるという話をした。そしてもう一つ、気になったのが街中で目にする美容整形の広告だ。フランスではもっと規制されている印象があるから、最初は少し不思議に感じた。日本は美容医療の施術件数がアメリカ、ブラジルに続いて世界3位だという。
昔フランスにいた頃は、美容整形に対するイメージがあまりよくなくて、ちょっとタブーだった。まだ人それぞれだけど、今はもう少しオープンになって、SNSやネットを見ても、「ボトックスをやってみた」とか、韓国旅行で美容医療を受けてみたといった話を、以前よりずっと気軽に目にするようになったと思う。ただ、時代が変わると法律も変わる。フランスでは2023年から、インフルエンサーによる美容目的の一定の施術や、特定のクリニックなどの宣伝が禁止されている。
そして、そもそも整形の前に、フランスでもスキンケアの重要さが昔より浸透してきている。昔はメイクを落として乳液をつければ終わりみたいなイメージで、日焼け止めなんて、ビーチに行った時にちょっと塗るくらいの感覚だった。今のようにSPFを日常的に意識することはあまりなかった。
アジアでは昔からわりと当たり前のように行われているけれど、今では海外でも韓国や日本の美容製品が人気で、美容に対する意識も変わったのかもしれない。昨年韓国に行った時、一時期ずっと見ていた『あたしンち』とコラボしたスキンケア商品が売られているのを見つけて、ちょっと買いそうになった。
美容をめぐる価値観は、国境を越えて、これからも変わり続けていくのだろう。

リラ
東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。
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