「浮気」の線引きは?

浮気探偵

数年前、日本に来て驚いたことの一つに、日本に住み始めてしばらくした頃、ポストに「浮気調査」「不倫調査」という文字が書かれたチラシが入っていて、驚いたことを覚えている。
 日本で暮らしていて印象的だったのは、男性向けの「性風俗」の存在を身近に感じることだ。実際、2022年に20~49歳の日本人男性4000人を対象に行われた調査では、約48%がこれまでに有料の性的サービスを利用したことがあると回答している。利用経験者の64%が既婚者だった。友達同士や、仕事の上司と部下でも風俗に行くという話を聞くこともあり、パートナーが許すかどうかは別として、男性が利用すること自体が比較的オープンに語られていることに驚いた。
 一方、フランス人は「浮気も多そう」というイメージを持たれることがあるかもしれないが、実際にはどうだろう。2000人を対象にした2025年のIFOP*の調査では、これまでに恋愛関係を経験したフランス人の31%が、人生で一度以上浮気をしたことがあると回答した。ただし、そのうち、現在も浮気をしていると答えた人は4%だった。また、女性の経験率は2016年の33%から2025年には26%に低下している。そして、「浮気をする」のではなく、最初からパートナーと話し合い、関係をオープンにする人も一定数いる。同じ調査では、パートナーがいるフランス人の8%が「オープンな関係」にあると回答した。
 恋愛感情がなければ浮気ではないのか。風俗なら許されるのか。それとも、パートナーに隠れて性的な関係を持つこと自体が浮気なのか。日本で暮らすようになって、「浮気の多さ・少なさ」よりも、そもそも何を浮気と考えるのか、その線引きそのものが人やカップル、文化によって違うのだと改めて感じるようになった。

リラ


東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。