2003年以来の熱波襲来地獄のメンズコレクション

2003年のカニキュール(猛暑)は、フランス全土で1万5千人ほどの死者を出しました。酷い目に遭ったと思いましたが、今夏の熱波も大変しんどかったです。1週間だけで終了、というわけではなく、何度もしつこく繰り返し襲って来て、総日数は何と52日間。2022年の33日間の記録を更新しました。全く心休まらない。特に酷かった6月17日から7月2日に掛けての熱波は、メンズのパリコレクションと丸々被っていて、毎日が辛かったです。特に夜。建物全体が温まっているため、室内は31~32度から下がらず、サウナの中にいるみたいで眠れない。凍らせたペットボトルを抱き締め、何とか仮眠を取るような状態でした。
 パリ市内では景観が重視されるため、室外機を外に出せず、つまりはエアコンの設置がほぼ不可能。ということで、少数ながら簡易エアコンを購入して凌いだ人もいたよう。ただ、暖気を放出するための太いホースを窓の外に出す必要があり、窓は開けっ放しとなります。でも、それでは部屋の空気が冷たくならない。ホース以外の窓の空間を閉じないといけません。もちろん、そのためのパネルは生産されているのですが、何となく非効率的。結局、景観も損なわれそう。何とも冷房後進国なフランスです。
 メンズコレクション中の土曜日には、必ずLGBTQの人々によるデモ行進『ゲイプライド』が行われますが、今年は9月に延期となりました。また、エイズ患者への連帯を示すためのイベント『ソリデイ』は中止に。以前、こちらで触れた消防署でのダンスパーティも中止です。そして、一晩だけでしたが酒類の販売が禁止に。すでに消防隊員の出動が超過状態で、お酒による健康被害を少しでも減らすための措置だったそう。
 こんなにも禁止・中止事項があったのにかかわらず、メンズのパリコレクションはしっかり決行。もちろん、会場では大型扇風機を導入したり、水を配ったり、ショーによっては予定時間通りに始めるために早目の来場を促すなど、配慮は見られましたが。ファッションってやっぱりブラックな業界、と痛感したのでした~(泣

トモクン


トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。