日本ブーム

フランス流のお餅
過剰観光による問題が定期的にニューストピックに上がっている中、コロナ前の数字を上回って訪日客数が過去最高を記録している日本はトレンディな観光先になっている。円安もあり日本の物価がお手頃に感じて、旅行先としてフランス人の中でも人気が高まっているようだ。
2011年初めて訪日した頃は、実家の田舎町で「日本に行く」と言ったらまだわりとレアものだったけど、今家族と話していると「最近薬局の店員が行ってきたよ、〇〇さんも行く予定だ」と、しょっちゅう誰かしら知っている人が日本旅行をしている。若者だけでなく、家族や年寄まで行っているようだ。日本のお土産話をして、やっぱり口コミ効果もあるのかも。
前から日本文化が人気だったけど、今年フランスに帰った時、昔より日本関係のものをあちこち目にするようになって驚いた。普通のスーパーの洋服コーナーで日本語が書かれている子ども服を売っていたり、日本を紹介する雑誌も何冊並んでいたり、いろんな味の冷凍お餅を売っていたり……こんなこともあるのかとつい写真をたくさん撮ってしまった。
昔カフェのメニューになかった抹茶は、世界的な健康志向トレンドとSNSの影響で海外でも普及し、今専門ショップまでオープンしている。
また食に限らず、より幸せで自分らしい人生を探し求める人が多くなっている今の時代。近藤麻理恵さんの本で話題になった、ものを手放す・片づけるメソッドや、沖縄などにおける長寿の秘訣を調査していた外国の研究者によって世界に広がった「Ikigai」(生きがい)の概念も数年前から注目を集めている。単語として訳すことが難しく、海外でそのまま使われている日本語に「Ikigai」もあれば「Karoshi」(過労死)もあって、ちょっと興味深く感じた。
スーパーで見かけた子ども服

リラ
東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。
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