ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠
初めてこの作品を見たとき、その大きさ、どこもメインになりうる緻密な筆致、格調高さに圧倒されました。当時の人たちもナポレオンの偉大さに感服したことでしょう。幅10m高さ6mのこの絵は、ナポレオン一世の主席画家ジャック = ルイ・ダヴィッドによって描かれました。
パリメトロのエントランス
このメトロのエントランスをパリで目にしたことがある方もいるのではないでしょうか? 草花のような緑の曲線のアイアンが特徴的ですが、これもアート作品でアールヌーボーの代表作です。作者のギマールは19世紀後半から20世紀にわたり活躍した建築家。時は Belle Époque(ベルエポック 美しき良き時代。1890年から1914年第一次世界大戦開戦まで)。この時代は、美術、音楽、文学などフランス近代文化において重要な時代であり、アールヌーボーもその一つです。その誕生には社会的背景が重要になってきます。
民衆を導く自由の女神
今月は名画中の名画のご紹介。ウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」。フランス語では、「La Liberté guidant le peuple」 (民衆を導く自由) となります。女神という単語はありませんが、日本語訳では中心にいる女性を女神と見立てたのではないかと思われます。この女性はマリアンヌと名付けられ、フランス政府の公式なシンボルとして、各省庁のHPや切手などに見られます。
花と果物、ワイン容れのある静物
静物画についてどういう印象をお持ちでしょうか。私は退屈でどれも同じに見えると幼いころより思っていましたが、この人の静物画を見た時、その艶やかさに静物画の印象が覆されました。アンリ ファンタン=ラトゥール、花の画家と言われ薔薇を描かせたら右に出る者がいないと言われた画家。
『ぶらんこの絶好のチャンス』
フラゴナール 今回ご紹介するのは、「ぶらんこの絶好のチャンス」。この絵が描かれた18世紀フランスでは甘美で曲線的なロココ様式が流行しました。ロココと言えば、マリーアントワネット、ポンパドール夫人のイメージ? そう、ロコ […]
『ベリー公のいとも豪華なる時禱書』
今回は「世界で一番美しい本」と言われ、当時最高の技術と材料を使って制作された贅沢な時禱書を紹介しましょう。希少なラピスラズリやコチニールなどを使って羊皮紙に描かれた絵画と挿絵が収められている時禱書ですが、これはローマカトリック教会のキリスト教徒のための祈りの本で、聖務を表した日課書です。
『貴婦人と一角獣』より『我が唯一の望み』
伝ジャンディーブル 6点の連作であるこのタピスリー(織物)「貴婦人と一角獣」は、15世紀――中世とルネッサンスの間に制作され、「クリュニーのモナリザ」と呼ばれているそうです。今回紹介するのはその中のひとつ「Mon Se […]
アモルの接吻で蘇るプシュケ
アントニオ・カノーヴァ 背後からの光に照らされ黄金色に輝く美しく甘美な彫刻。透き通るような肌。ルーヴル美術館、ドゥノン翼、ミケランジェロギャラリーの片隅。多くの人々が行き交う中、二人だけの愛の世界に浸っています。 2 […]
レオナルド・ダ・ヴィンチの死
ドミニク・アングル / プティパレ美術館 今にも息をひきとりそうな老人と彼を愛おしそうに抱く男性。彼らは一体誰?そしてどういう関係なのでしょう?実は、この二人の出会いなくして、フランスにおけるルネッサンスも、ルーヴル美 […]