時間に縛られず

11年ぶりに兼六園を散歩
みなさん、bonne année! これを書いているタイミングではまだ12月だが、秋から年末にかけて充実した時間を過ごすことができて、2025年をいい気分で迎えられそうだ。数ヶ月前にもっと東京の文化施設を楽しみたいと語って以来、様々なアート展に行ってたくさんインスピレーションを受けた。音楽の面でも初めて東京ドームでライブを楽しんだほか、スポーツに関してはスケートボード大会を見に行って、出場していたオリンピック選手の活躍を身近で見られた。そして11年ぶりに旅行で金沢を訪ねたり、10年前に留学で通っていた大学のホームカミングデーのイベントにも行ったり。様々な角度から過去を振り返る機会が多くなって、必然的に時の流れを強く感じた数ヶ月間だった。
年を重ねるにつれて1年間があっという間に過ぎていく、多くの人が共感できる感覚だが、その現象はフランスの哲学者であるポール・ジャネーに由来がある「ジャネーの法則」と呼ばれていることを最近知った。他にも、子どもの頃は新しい経験がたくさんあるのに対して、大人になっていくと日常に変化が少なく過ぎていく時間が似た出来事の繰り返しであることから早く感じるという説明もある。そのため、何歳になっても定期的に新しいことに挑戦したり、スキルを身につけたり、旅行などで刺激を受けたりすることで、時間の経過の感じ方を変えることができるという。
2021年に、15人のボランティアが南仏にある自然光や時計もない洞窟の中で40日間を過ごす「ディープタイム」という名の実験が行われた。時間を知ることも計ることもできない環境では人間にどんな変化や影響があるのか、どうやってうまく共同生活ができるのかが研究されたそうだ。様々な興味深い結果が出ており、ここまで極端な環境ではなくても自分も試してみたいかもと思った。年々早く過ぎていく時間にとらわれず、2025年も新しい発見でいっぱいになりますように~。
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リラ
東京で翻訳者としても活躍する30歳のフランス人女子。持続可能な社会の実現に向けての活動もする。趣味は編み物とベランダの植物の世話。
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