なんでもN.Y.と比較しちゃう、子連れパリレポート

クルーズ船から見た
エッフェル塔
出産やコロナ禍で足が遠のいていたパリ。N.Y.から6時間と近くなったことや、娘二人が「お母さんが好きなパリを見てみたい」と言い出したこともあり、久々にパリに行ってきました。出発日が近づくにつれ高まる緊張。これは大好きな人に久しぶりに会う気分です。子どもの服を買いそろえたりして。アメリカの蛍光色ドカーン! なスウェットで歩かせるわけにはいかない、と母の謎の気合に戸惑う姉妹。パリの友人に渡すお土産探しも「チョコもハンドクリームもアメリカのもので喜んでくれるとは思えない」。すっかりアメリカクオリティに自信が持てないお年頃に。
そしてついに上陸の日。久しぶりの再会は……最高。わかっているつもりだったけれど、観光地としてのポテンシャルがフリーザ並みに強力。目に良し、口に良し、財布に良しの3拍子。どこを見ても美しく、食べるものは大体美味しく、N.Y.よりなんでも安い。さらに、清潔になった印象です。「地下鉄こんなきれいだった?」「こんなにゴミ落ちてなかった?」「もっとオシッコ臭かったような」など、なんでも(N.Y.比)素晴らしく感じているだけ説も……??
そして一番懸念していた治安の面も、オリンピック効果なのか問題なし。以前パリの街を駆け巡っていたスリ集団を見かけなかった。パリの友人に伝えると「スリがオシャレになって見分けがつかなくなった」とか「軽犯罪は減った。銃犯罪は増えた」など真偽のほどはわかりませんが、前よりも携帯を持って歩いている人も多いし、路上生活者もNYよりも少なめ。ただ、道の真ん中で土下座していたり、泣きながらコップを差し出してきたり、N.Y.よりも感情に訴えかけてくる派の路上生活者が多く、姉妹はビックリ。N.Y.だとゴキゲンで話しかけてきたり、歌っていたりするから。
私の幼稚園生並のフランス語は、赤ちゃん並に退化しており、フランス語で話しかけて英語で返事をされたり、お店のお兄さんがゆっくり一緒に声を合わせてきたりして、完全に「ヨチヨチ~がんばりまちたね~」ムード。赤ちゃん可愛いからいいか。
大事なテーマ「トイレ探し」。もともと、トイレの少ないパリ生活で腸内フローラが死んだのか、腹が弱くなってしまったこともあり、今回もかなり心配。しかしついに私は強い味方を見つけました。公衆ボックストイレ‼ 以前からあったけど、汚かったり壊れていたりと使わなかった。が、今回初挑戦です。……室内ビッショビショ。そう、これは使用後に個室全体ビシャビシャにして洗うタイプのトイレなのです。便座もビショビショ。背に腹は代えられないと用を足し、ホッとしたのもつかの間、流すボタンが起動せず。壊れとる。打つ手なしで、流さずに外に出るとドアが閉まって、ビシャー! と中から水が噴射される音が。廃棄者として責任を持とう、と音が鳴りやんだ後再び個室に入るとピッカピカ。無臭。洗浄機能は壊れてなかった! はっはー! もう怖いものは何もないぜ!
3時間しかない買い物タイムの中、荷物多すぎで途中でホテルに戻る失態。


トイレの中も撮影したけど掲載自粛
吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。
連載中のトモクンとポッドキャストやってます。
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- note『 毎日ニューヨークで困ってます! 』
- podcast『 CAFE NOISETTE 』