ロンドン・パリ博物館めぐり―シャーロックホームズ・大英博物館&ルーヴル

シャーロックホームズ博物館
前ではヘンリー王子似の門番
さんと写真撮影できます
子ども二人を連れてのパリ旅行はロンドン経由でした。ロンドンでは王道の大英博物館へ。イチオシはパルテノン神殿とロゼッタストーンやミイラ。娘から「どうしてギリシャとエジプトの大切なものがここにあるの」と素朴な疑問。「昔戦争の時にイギリスが持って帰ってきちゃってギリシャの人は返して欲しいらしいよ~。でも、ミイラをいっぱいここに持ってこられたエジプトの人は『たくさんあるからどうぞ』って感じかな~」と適当に答えておいて、あとでコッソリ調べてみたら、本当にギリシャは返還を求めていて、エジプトはミイラはおろか、ロゼッタストーンですら正式な返還要求はないらしい。やっぱり。エジプトは歴史的文化財大豊作だからな~。
シャーロックホームズ博物館も行きました。ベイカー街の古い建物で、あまりに小さいのでふと不安になって、入り口で「中にトイレあります?」と聞いたら「ごめん、無い」! トイレがないと言われると途端に腹が痛くなるタイプなので、その場で踵(きびす)を返し、戸惑う子ども二人をひっぱって近所のカフェへ。トイレ前に3人並んでいて、全然出てこない。20分ほど経過し、もはやしゃがんで踵で肛門を押さえるスタイル。後からやってきたフランス人が「他の階にもあるんじゃない? あなたたち他に行けば?」と前の3人に謎の誘導をかましてきて、「じゃああなたが他行ってくださいよ」と断るイギリス人たち。トイレをめぐって英仏戦争開戦寸前です。日本はもはや無力。フランス人が消え、なんとか開戦回避、私も決壊寸前でトイレにイン。外で待っている人のことを思って便座で焦っていると次女が「誰も待ってないから大丈夫だよ」と噓をついて励ましてくれたことは一生忘れません。肝心の博物館は、シャーロックホームズ小ネタ満載のお部屋でファンには最高の空間。フィクションだなんて信じないぞ。
パリではルーヴル美術館へ。普段から美術作品を暢気な歌にする番組「びじゅチューン!」を見ているから、姉妹は結構やる気。
当日は、美術館前で行列すること20分。予めゲットしていたチケットを読み込んでサラッと入館です。中は肩が触れ合うほど観光客でギュウギュウでしたが、人混みを縫いながらサモトラケのニケ、ナポレオンの戴冠式、民衆を率いる自由の女神、ミロのヴィーナス等有名作品をサクサク鑑賞。これ昔の私と同じ、教養ない人のペース……。わざわざパリまで来て本物を見せた意味とは何なのだろうか。
もう残された望みはモナリザしかない。館内にモナリザの写真と矢印がセットであらゆる場所に掲示してあるので、みんなモナリザに吸い寄せられてモナリザルームはかなりの人だかり。姉妹はアメリカ仕込みの積極性でなんとか最前列まで到着し、「他の作品と違うオーラがある」と珍しく長めに鑑賞。良かった、母さんよりは感受性が豊かで。最後に長女が「エジプトの書記官が見たい。『びじゅチューン!』で、書記官のアイラインがギャルみたいで素敵という歌がある」何を言っているのかよくわからないまま探してみたけれど全然ない。監視員さんに聞いたら「これ今クローズ。」1時間ずっとミイラの間を彷徨っていただけであった。この数日ミイラと過ごしすぎ~。
もはや写真だけでは大英
博物館と見分けがつかなく
なってきた、こちらはルーヴ
ルの棺。

吉野亜衣子
ラジオ局を辞め、夫の留学についてパリへ。
帰国後、日仏文化交流のための NOISETTEを設立。2022年で設立10周年。
2024年春よりNY在住。
連載中のトモクンとポッドキャストやってます。
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