読者をも丸裸にしてしまう作者の鋭さ
フェミニスト論『キングコング・セオリー』では、作者デパントが男性による女性へのレイプについて遠慮なく明快に、しかし恐るべき鋭さで正面から語りかけてくる。彼女の文章には、10代の頃から彼の一部であるパンクロックが息づいているし、彼女自身のレイプや売春の体験をも感じさせる。そして多くの女性が背負っている肉体的・心理的な苦痛の現実を語り始めた途端、家父長制を支持する人たちから浴びせられたあらゆる種類の戒告も反映されている。
この鋭い考察には、読んだ後に無傷ではいられないほどの衝撃がある。作者は自らの経験をありのままに証言するために、ありのままの姿をさらけ出し、読者をも丸裸にしてしまう。女性・男性、富裕層・貧困層であれ、誰もがその問いに直面させられるのだ。
家父長制社会によって維持される男性支配を分析していくと、男性が売春の契約を非難しつつ、結婚を推奨することで見える利害関係を浮き彫りにする。男性がお金を払って受ける性的サービスがある一方で、女性が家事と共に無償で行っている性的サービスがある。そこから彼女は、資本主義へと遡り、最終的に資本主義こそが私たちすべてを「支配者と被支配者」の関係に閉じ込めていると指摘する。それは、「良い」結婚という選択をする自発的な犠牲者である女性から、売春婦と関わることで烙印を押される男性に至るまですべてである。
この本では、男女関係の問題を、単純に二元論で解釈する傾向を修正するために、階級闘争の視点を持っていることが新鮮だった。性暴力のスキャンダルが起きるたびに、私たちはあまりにも安易な解釈を社会から押し付けられているのではないだろうか。

『キングコング・セオリー』
ヴィルジニー・デパント著/相川 千尋 訳
柏書房
ジャンマリー・プルドン
福岡在住のフランス人。福岡で仏語教室やフランスに関わるイベント企画を通してフランス文化普及に貢献する。Nautilus主宰。
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