イッセイ・ミヤケのショーを音で彩った鬼才二人 — マシュー・ハーバート&モモコ・ギル

3月に開催されたパリコレでは、たったの9つしかショーを見られなかったことを前回こちらで報告しましたが、そんな中で、とても嬉しかったことがありました。それはイッセイ・ミヤケのショーで、期せずして僕の大好きなアーティストの音楽を生で聴けたことでした。このブランドのショーではミュージシャンが生演奏をすることが多く、座席にあるプレス資料で事前にチェックするのだけれど、今回はうっかり忘れていました。まっさらな状態でコレクションを拝見。
 街で偶々拾った石から着想を得たというデザイナーの近藤悟志は、腕を出せないニットアイテムなど、アーティスティックな側面を強調しつつ、ブランド創始者の三宅一生が80年代に発表した、女性の身体を象った樹脂製のビュスティエをほうふつとさせる漆製のビュスティエを合わせたドレスを発表。そのどれもがエレガントでモダンです。フィナーレでは、服と音楽が見事に融合し、久々にコレクションを見て感動したのでした。
 デザイナーを囲んでの取材があるというので、ランウェイ正面へ向かいましたが、音楽を演奏していたミュージシャンの顔が徐々に見えて来ました。もしかしたら、これは先週アマゾンでポチをした二人では?と思ったら的中。電子系音楽のレジェンドであるマシュー・ハーバートと、共作を昨年リリースし、ハーバートの協力の下、今年ソロ作を発表したモモコ・ギルのお二人でした。「モモコさんは日本人の血を引いているに違いない」と思い、日本語で「お二人のCDもモモコさんのCDも先週買いました」とアピール。そうしたら、普通に流暢な日本語が返って来ました。以来、2枚のCDはヘビーローテーション。特にフィナーレで演奏された『FallenAgain』は、天にも昇るような高揚感を与えてくれます。ロンドンの音楽だけれど、パリコレ絡みということでお薦めしておきます~。

トモクン


トモクンという名の45歳。在仏27年。ファッションジャーナリスト(業歴17年)は仮の姿で、本当はただの廃品回収業(業歴5年)。詳しくはブログ『友くんのパリ蚤の市散歩』にて。